2026/10/14コラム-WEB
歯科ホームページの記載事項|書ける事項と書けない表現
歯科のホームページに書ける事項と書けない表現は、厚生労働省の医療広告ガイドラインと医療法で決まっています。
書けない表現の代表は治療の効果に関する患者の体験談と、誤認させるおそれのある治療前後の写真です。
他院より優れていると示す比較の表現や、事実を誇張する表現も禁止されています。
自由診療を詳しく書く場合は、限定解除の4つの要件を満たしたうえで費用やリスクも同じページに載せます。
この記事はガイドラインの記載をもとに整理したもので、個別の表現の判断は所管の保健所や厚生労働省の資料で確認する前提で読んでください。
2018年の改正でホームページも広告規制の対象になった
2018年6月に施行された改正医療法により、医療機関のホームページも広告規制の対象になりました。
それまでホームページは原則として広告に当たらないとされ、ガイドラインの対象の外に置かれていました。
2012年からは厚生労働省の「医療機関ホームページガイドライン」で、関係団体に自主的な取り組みを求める形がとられていました。
出典は厚生労働省の「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関するガイドライン」で、一般に医療広告ガイドラインと呼ばれています。
ガイドラインでは、広告に当たるかどうかを2つの要件で判断するとしています。
- 誘引性:患者の受診を誘う意図があること
- 特定性:医療機関の名称や医師・歯科医師の氏名が特定できること
歯科医院の公式サイトは医院名が分かり、受診を案内する内容が載っているので、この2つを満たすのが通常です。
医院が運営するブログやSNSも、受診を誘う内容で医院が特定できる場合は広告として扱われる可能性があります。
厚生労働省は医療機関のウェブサイトを監視する「医療機関ネットパトロール」を事業として行っています。
一般の人からの通報を受け付け、違反のおそれがあるサイトには医療機関へ通知し、自治体とも連携する仕組みです。
改正の前に作ったサイトをそのまま使い続けている医院は、作った当時は問題がなかった表現が今の基準に合っていない場合があります。
体験談のページや前後写真のギャラリーが残っていないか、まず確かめておきます。
書けない表現6種類とガイドラインでの扱い
医療広告ガイドラインが禁止している表現は、歯科のホームページでよく見る書き方に当てはめると次の6種類に整理できます。
| 種類 | ガイドラインでの扱い | 歯科で見かける書き方の例 |
|---|---|---|
| 虚偽の広告 | 事実と異なる内容は禁止 | 「痛くない治療」 |
| 比較優良広告 | 他院より優れていると示す表現は禁止 | 「地域で一番の症例数」 |
| 誇大広告 | 事実を誇張して誤認させる表現は禁止 | 当然の許可を特別なことのように強調する |
| 体験談 | 治療の内容や効果に関する患者の体験談は禁止 | 「インプラントで何でも噛めるようになった」という声 |
| 治療前後の写真 | 誤認させるおそれのあるものは禁止 | 矯正の前後写真だけを説明なしで並べる |
| 品位を損ねる広告 | 費用を過度に強調するものなどは不適切 | 「今だけホワイトニング半額」 |
比較優良広告には、最も・一番のような最上級の表現も含まれます。
根拠となるデータがあっても、他の医療機関と比べて優れていると見せる書き方は避けます。
体験談の禁止は医療法施行規則に定められており、医院のサイトに患者の声を載せることは治療の内容や効果に触れる限りできません。
個人が自分のSNSや口コミサイトに書いた感想は、医院が依頼や謝礼で関わっていなければ広告に当たらないとされています。
治療前後の写真は、治療の内容・費用・主なリスクや副作用などの詳しい説明を付けた場合は、禁止の対象から外れるとされています。
写真だけを並べたギャラリーや、説明を別のページに置いて写真から読めない形は避けます。
品位を損ねる広告については、ガイドラインが費用を強調する広告や医療と関係のない物品の提供で誘う広告を例に挙げています。
キャンペーンの告知を載せる場合は、表現が例に近くなっていないかを確かめます。
書ける事項は医療法で決まった範囲に限られる
限定解除をしていない広告で書けるのは、医療法と告示で定められた広告可能事項に限られます。
ホームページもこの範囲で書くのが基本です。
歯科医院のサイトで使う主な広告可能事項は次のとおりです。
- 診療科名と医院の名称・電話番号・所在地
- 診療日と診療時間、予約の有無
- 歯科医師の氏名・年齢・性別・役職・略歴
- 一定の要件を満たした専門性の資格
- 設備や対応できる治療の方法と、保険診療の費用
歯科で診療科名として掲げられるのは、医療法施行令で定められた歯科・矯正歯科・小児歯科・歯科口腔外科の4つです。
「審美歯科」や「インプラント科」のような名称を診療科のように並べる書き方は、診療科名の決まりと合わないので避けます。
治療の内容を説明する文章の中で触れるのとは区別して考えます。
専門医の表記も、広告できる資格は告示などで決められた範囲に限られます。
学会の認定を受けていても、その資格が広告できるものに当たるかを名乗る前に確認します。
よくある失敗は、院長の経歴に所属学会の名前を並べるうちに、広告できない認定資格まで「専門医」のように書いてしまう形です。
所属と資格を分けて書き、資格の方は広告できるものかを一つずつ確かめます。
限定解除の4要件を満たすページの作り方
インプラントやホワイトニングのような自由診療を詳しく書くには、広告可能事項の限定を外す「限定解除」の要件を満たします。
ガイドラインが示す要件は次の4つです。
- 医療に関する適切な選択に役立つ情報で、患者が自分から求めて入手するウェブサイトなどであること
- 表示した内容について患者が問い合わせられるよう、問い合わせ先を書くこと
- 自由診療の場合は、通常必要とされる治療の内容と費用を示すこと
- 自由診療の場合は、治療の主なリスクと副作用を示すこと
要件1に照らすと、患者が自分で探して見に来るホームページは対象になります。
一方でバナー広告のように見る人が求めていないのに表示される広告は、この要件に当たらないとされています。
自由診療のページは、1つの治療ごとに次の順で組み立てます。
- 治療の内容と向いている人・向いていない人を書きます。
- 治療の期間と通院の回数の目安を示します。
- 標準的な費用を税込の総額か幅で示し、追加でかかる費用も並べます。
- 主なリスクと副作用を、治療の説明と同じページの読み飛ばしにくい位置に置きます。
- 電話番号やメールの問い合わせ先を最後に添えます。
費用を幅で示す場合は、幅が広がる理由を一緒に書きます。
インプラントなら本数や骨の状態、使う材料によって総額が変わることを書いておくと、相談のときに説明の前提がそろいます。
見積もりの時点で追加になりやすい費用も先に並べます。
検査や診断の費用、仮歯や保証の費用が別にかかるなら、総額に含むかどうかを表の中で分けて示します。
よくある失敗は、費用とリスクを「よくある質問」の奥や別ページにまとめてしまい、治療の説明のページから読めない形です。
限定解除の情報は治療を紹介しているページで読めることが前提になるので、同じページの中に置きます。
限定解除をしても体験談は載せられません。
体験談の禁止は限定解除の対象とは別の決まりなので、自由診療のページにも患者の声は置かないようにします。
公開前に確かめる5つの手順
歯科のホームページは公開前と年に1回、全ページを同じ手順で確かめると表現の見落としが減ります。
- CMSの投稿一覧も含めて全ページの文章を書き出し、1つのファイルにまとめます。
- 「一番」「最新」「痛くない」「完全」のような語を検索し、根拠と文脈を確かめます。
- 治療前後の写真ごとに、治療の内容・費用・リスクの説明が同じ場所にあるかを見ます。
- 口コミの引用やGoogleの口コミを表示する部品がサイトに入っていないかを確かめます。
- 自由診療のページごとに、限定解除の4要件が満たされているかを表にして印を付けます。
手順2の語は使うこと自体が禁止というわけではなく、根拠を示せないまま使うと虚偽や誇大と判断されるおそれがある語です。
「最新の機器」と書くなら、機器の名称と導入した時期を添えるなど、読み手が確かめられる形にします。
手順4はよく見落とされる所です。
口コミの表示部品はサイトの制作会社が便利な機能として入れている場合があり、医院の側が気づかないまま体験談に当たる内容を載せてしまうことがあります。
同じ確認は医院のInstagramやブログの投稿にも当てはめます。
症例の写真を投稿するときも治療の内容・費用・リスクの説明を同じ投稿の中に書き、説明だけを別の投稿に分けないようにします。
確認の結果は手順5の表と一緒に残しておきます。
次の年に同じ手順で見直すとき、前回どこを直したかが分かり、担当者が変わっても同じ基準で確かめられます。
判断に迷う表現は、厚生労働省が公開している医療広告ガイドラインのQ&Aや、医院の所在地を所管する保健所に確かめます。
ガイドラインの解釈は事例ごとに変わる部分があるので、制作会社の判断だけで決めないようにします。
歯科の記載事項でよくある3つの質問
Q1:Googleの口コミをホームページに載せてもよいですか?
治療の内容や効果に触れた口コミを医院のサイトに転載すると、ガイドラインが禁止する体験談に当たるおそれがあります。
口コミはGoogleマップの中で読んでもらい、医院のサイトには載せない形が安全です。
Q2:料金表は載せられますか?
料金表は載せられます。
保険が使えない自由診療の費用を詳しく示す場合は、限定解除の要件を満たすページで治療の内容やリスクと一緒に載せるのが前提です。
Q3:ビフォーアフターの写真は一切載せられないのですか?
治療の内容・費用・主なリスクや副作用などの詳しい説明を付ければ載せられるとされています。
説明のない写真だけの掲載や、加工で効果を大きく見せる写真は避けます。
歯科医院のホームページの原稿づくりや表現の見直しは、cantikでZOOM・電話・メールでご相談いただけます。
表現の最終的な判断は、所管の保健所などにご確認ください。
まずは無料相談から。
「何から始めればいいか分からない」段階でも大丈夫。
いまのサイトの入口を見える化し、直す順番をご提案します。
ご相談・お見積りはすべて無料です。
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