2026/09/23コラム-SNS
SNS投稿の「効果測定」|分析から改善へ繋げる指標設定
SNSの効果測定は、目的を1つ決めて、その目的に対応する数字を3つだけ毎週同じ画面で見る方法で足ります。
フォロワー数や「いいね」の数を毎日眺めても、問い合わせが増えたのかどうかは分かりません。
まず目的別に見る数字を選ぶ表を出します。
続いて毎週15分で終わる記録の手順と、数字から次の一手を決める判断表を説明します。
画面の名称は各SNSの更新で変わることがあるため、手順は考え方を中心に書いています。
効果測定の指標は目的別に3つだけ選ぶ
最初に決めるのは「何のために投稿するか」で、目的が決まると見る数字は3つに絞れます。
目的を決めずに全部の数字を並べると、どれが良くてどれが悪いのか判断できず、記録だけが増えて続かなくなります。
| 目的 | 見る数字3つ | 見る場所 |
|---|---|---|
| 店や会社を知ってもらう | リーチ数・閲覧数・フォロワー増減 | 各SNSのインサイト(アナリティクス) |
| 投稿の中身を気に入ってもらう | 保存数・シェア数・コメント数 | 各SNSのインサイト(アナリティクス) |
| ホームページを見てもらう | プロフィールへのアクセス数・リンクのタップ数・サイトへの訪問数 | インサイトとGA4 |
| 問い合わせや予約につなげる | SNS経由の問い合わせ数・予約数・問い合わせフォームの到達数 | GA4と問い合わせの記録 |
リーチ数は投稿を見た人の人数で、閲覧数は同じ人が何度見ても数える表示回数です。
Instagramでは以前の「インプレッション」に代わって「閲覧数」が使われるようになったので、古い解説と指標の名前が合わないことがあります。
1つの目的に絞る理由と選び方
地域の店や小さな会社では、まず「ホームページを見てもらう」か「問い合わせにつなげる」のどちらかを選ぶと、売上との距離が近くなります。
知ってもらうことが目的でも、最終的に問い合わせが増えなければ事業には効きにくいので、2つ目の目的は3か月ほど運用してから足します。
目的を複数同時に追うと、投稿の方向性がぶれて、どの数字を見て直せばよいのか分からなくなります。
毎週15分で終わる記録の手順は4ステップ
毎週同じ曜日に、同じ期間の数字を同じ表へ写すだけで、傾向は十分に読み取れます。
- 曜日を決めます。
月曜の朝などに固定し、先週の月曜から日曜までを集計の期間にします。 - インサイトを開き、期間を「過去7日間」にして、表の目的に対応する3つの数字を読みます。
- スプレッドシートに、日付・投稿のURL・形式(画像・リール・ストーリーズ)・3つの数字・気づいた点を1行で書きます。
- 前の週と比べて、増えた投稿と減った投稿を1本ずつ選び、その差の理由を一言で書きます。
Instagramの場合は、プロフィール画面から「プロフェッショナルダッシュボード」を開き、インサイトの一覧から期間を選びます。
Xではアナリティクスの画面で、投稿ごとの表示回数・エンゲージメント・プロフィールのクリック数・リンクのクリック数を見られます。
記録表の列はこの7つで足りる
- 日付と投稿のURL
- 投稿の形式と主題(料理・施術・スタッフ・お知らせなど)
- 目的に対応する3つの数字
- 気づいた点(冒頭の1行・写真・投稿した時間帯)
列を増やすほど入力が負担になり、3週目から更新が止まりやすくなります。
投稿の頻度や時間帯の決め方は、SNSの投稿頻度とタイミングの記事で説明しています。
問い合わせまでの数字はUTMリンクとGA4で測る
SNSから問い合わせまで追うには、プロフィールや投稿のリンクにUTMパラメータを付け、GA4で流入元を見分けます。
UTMパラメータとは、リンクの末尾に付ける目印で、アクセスがどの媒体のどの施策から来たのかをGA4が区別できるようになります。
- リンクの末尾に「?utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=profile」のような目印を付けます。
- GA4で問い合わせ完了ページの表示を、キーイベント(成果)として登録します。
- GA4の「レポート」から「集客」の「トラフィック獲得」を開き、セッションの参照元とメディアでInstagramやXを探します。
- 問い合わせの電話やメールでは、最初の一言で「何を見て連絡したか」を聞き、記録表に書き足します。
SNSのアプリ内ブラウザから来た訪問は、参照元がうまく取れないことがあります。
UTMの目印を付けると取りこぼしが減るので、プロフィールのリンクとストーリーズのリンクには別々の名前を付けておくと、どの入口が効いているかを見分けやすくなります。
数字の動きから次の一手を決める判断表
数字は単独では意味を持たず、2つの数字の組み合わせを見ると、直す場所が決まります。
| 数字の動き | 考えられる原因 | 次の一手 |
|---|---|---|
| リーチ数が低く、保存数も低い | 投稿が見つけられていない | 冒頭の1行と1枚目の画像を作り直す |
| リーチ数は高いが、保存数が低い | 目には留まるものの、持ち帰る価値が弱い | 手順や一覧など、見返したくなる中身に変える |
| 保存数は高いが、プロフィールアクセスが低い | 投稿は良くても誰の発信か伝わっていない | 投稿の最後に店名と提供内容を1行で添える |
| プロフィールアクセスは高いが、リンクのタップが低い | プロフィール文とリンクの案内が弱い | プロフィールの1行目に、誰の何を助けるかを書く |
| リンクのタップは高いが、問い合わせが0 | リンク先のページに原因がある | リンク先の最初の画面と、問い合わせの導線を見直す |
判断表は上から順に読み、最初に当てはまる行だけを直します。
一度に複数の場所を直すと、数字が変わったときに何が効いたのか分からなくなります。
直したら4週間は同じ指標を見続け、前の4週間の平均と比べて判断します。
効果測定でよくある失敗4つ
よくある失敗は4つあります。
フォロワー数だけを見る・1投稿で結論を出す・期間をそろえない・記録しても直さないの4つです。
1つ目はフォロワー数だけを成果にする失敗です。
フォロワーが増えても、地域外の人や事業と関係のない人が多ければ、問い合わせは増えません。
2つ目は1本の投稿の数字だけで良し悪しを決める失敗です。
投稿ごとの数字は時間帯や話題の影響でぶれるので、同じ主題の投稿を3本以上並べて比べます。
3つ目は集計の期間をそろえない失敗です。
先週は過去7日間、今週は過去30日間のように見ると、比較が成り立ちません。
4つ目は数字を表に写すだけで終わる失敗です。
表の最後の列に「次の週に直すこと」を1つ書く欄を作ると、記録が改善につながります。
広告を使った投稿は分けて記録する
広告で配信した投稿の数字には、広告で届いた人数が含まれます。
自然に届いた数字と混ぜると、投稿の中身の良し悪しが読めなくなるので、広告を使った投稿は別の行に分けます。
広告であることを隠した投稿や、依頼した第三者の投稿の扱いは、SNS運用のデメリットを整理した記事に法令の面を書いています。
目標の数字は自社の過去4週間と比べて決める
目標は他社の平均ではなく、自社の直近4週間の平均を基準にして、1つの数字だけ少し上に置きます。
業種やフォロワー数が違うアカウントの平均値は、自社の目標としては当てになりません。
たとえば直近4週間のプロフィールアクセスが毎週一定なら、その平均を基準に、次の4週間で「基準より少し上」を目指します。
上げ幅は小さく決めておき、達成できたら次の4週間で再び基準を引き直します。
達成できなかった週は、数字を責めるのではなく、判断表のどの行に当たるかを先に見ます。
基準の引き方の例
- 直近4週間の週ごとの数字を、記録表から4つ書き出します。
- 4つを足して4で割ると、平均が出ます。
- 平均より極端に高かった週や低かった週は、その週に何があったか(広告・休業・イベント)を書き添えます。
- 次の4週間の目標を「平均より少し上」に置き、1つの数字だけに設定します。
4週間の平均を基準にする理由は、1週間だけだと曜日や話題の偏りが大きく出るためです。
開始してから日が浅く、4週間分の記録がまだない場合は、最初の4週間は目標を置かずに記録だけを続けます。
cantikでは、SNS運用の指標の選び方や記録表の作り方を、ZOOM・電話・メールでご相談いただけます。
よくある質問4つ
Q1. SNSの効果測定で、最初に見る数字はどれですか?
目的に対応する3つの数字のうち、問い合わせにいちばん近いものから見ます。
ホームページへの誘導が目的なら、プロフィールアクセスとリンクのタップ数です。
リーチ数やフォロワー数は、その手前の動きを知る補助として読みます。
Q2. 効果測定はどのくらいの頻度で行えばよいですか?
記録は週に1回、見直しは4週間ごとが続けやすい目安です。
毎日見ると数字のぶれに振り回されるので、投稿を始めた最初の1か月も週1回で足ります。
Q3. 数字が伸びないときは、投稿の本数を増やすべきですか?
本数を増やす前に、判断表で数字の組み合わせを見て、直す場所を決めます。
原因が冒頭の1行やリンク先にある場合は、本数を増やしても数字は動きません。
Q4. 有料の分析ツールは入れたほうがよいですか?
最初は各SNSのインサイトとGA4だけで足ります。
複数のアカウントを横断して見たい、競合の投稿も並べたいといった具体的な困りごとが出てから、無料の試用版で比べて選びます。
ツールを入れても、見る数字を3つに絞って毎週同じ画面で記録する習慣がなければ、数字は読まれないまま溜まります。
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