2026/10/14コラム-WEB
ホームページの解約方法|伝える前に残す6つのもの
ホームページの解約は、ドメイン・サイトのデータ・メール・写真・原稿・アクセス解析の6つを手元に残してから、契約書の期限に合わせて書面で伝える順番で進めます。
月額を払っているのに更新の依頼が何週間も進まない。
担当者に電話しても折り返しが来ない。
契約のときに聞いた内容と請求の中身が違う。
こうした状態が続くと、今すぐ解約を伝えたくなります。
ただ先に解約を伝えると、相手の協力が得にくくなってからデータや名義の問題に気づく形になりがちです。
この記事では残すものの一覧と、ドメインの名義をJPRS WHOISで確かめる手順、解約を伝える文面の要点を順に説明します。
出典はJPRS(日本レジストリサービス)とWordPressとGoogleの公式の案内です。
解約を伝える前に6つの資産を手元に残す
解約を伝える前に残すのは、ドメイン・サイトのデータ・メール・写真・原稿・アクセス解析の6つです。
どれも契約が終わったあとに取り戻そうとすると、相手の協力が要るものばかりです。
| 残すもの | どこにあるか | 受け取る形 | 先に確かめる画面 |
|---|---|---|---|
| ドメイン | ドメイン管理会社(指定事業者)の契約 | 名義を自社にし、管理画面のログイン情報を自社で持つ | JPRS WHOISの組織名・登録者名の欄 |
| サイトのデータ | サーバーの中(WordPressならデータベースとwp-contentフォルダ) | WordPressの書き出しファイル・テーマとプラグイン・画像フォルダ・公開HTML一式 | サーバーの契約名義とログイン情報 |
| メール | サーバーのメール設定 | アカウントの一覧とパスワードを再設定できる権限・転送設定 | サーバー管理画面のメール欄 |
| 写真 | 制作会社の撮影データ・自社の支給データ | 撮影の元データと、使い続けてよい範囲を書面で | 契約書の権利の条項 |
| 原稿 | サイトの各ページ | 全ページ分のテキストファイル | ページ数の一覧 |
| アクセス解析 | Googleアナリティクス・Search Console | 自社のアカウントを管理者・所有者にする | アクセス管理の画面・ユーザーと権限の画面 |
よくあるのは解約の連絡をしたあとで管理画面に入れないことに気づき、ドメインとサーバーの名義が制作会社だったと分かる形です。
名義が制作会社だと、更新も移管も相手の手続きなしでは進みません。
6つのうち最初に確かめるのはドメインで、次がサイトのデータです。
ドメインを失うと検索の評価も名刺のアドレスもメールも同時に止まり、サイトのデータは作り直しに最も時間がかかるためです。
ドメインの名義はJPRS WHOISで3手順で確かめる
ドメインの名義はJPRSが公開しているJPRS WHOIS(whois.jprs.jp)で誰でも調べられます。
JPRS WHOISの使い方のページによると、手順は次の3つです。
- whois.jprs.jpを開き、「検索タイプ」で「ドメイン名情報」を選ぶ
- 「検索キーワード」の欄に自社のドメイン名を入れる(入力例はEXAMPLE.CO.JPやEXAMPLE.JPの形)
- 表示された結果の名義の欄と、期限の欄を読む
結果の項目名はドメインの種類で変わります。
JPRSの「公開・開示対象情報一覧」と「検索結果の表示例」に沿って整理すると下の表のとおりです。
| ドメインの種類 | 名義を見る項目 | 期限を見る項目 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| co.jp・or.jpなど(属性型) | [組織名]と[Organization] | [状態]の括弧内の日付(Connected(2027/03/31)のように表示) | [組織名]が自社なら名義は自社。表示例のページに括弧内の日付が有効期限と書かれている |
| .jp(汎用JP) | [登録者名]と[Registrant] | [有効期限] | 登録者名が非表示の表示に置き換わっている場合は、Whois登録者情報非表示設定が使われている |
| .com・.netなど | Registrant(レジストラ側のWHOISやRDAP) | Registry Expiry Date | JPRSが管理していないドメインはJPRS WHOISでは調べられず、ICANNのRDAPや各レジストリのWHOISを使うとJPRSの案内にある |
co.jpの結果には[登録担当者]と[技術連絡担当者]の欄もあり、ここに制作会社の担当者名が入っていることがあります。
その場合でも名義そのものは[組織名]で判断します。
JPRSの案内では、どの指定事業者(ドメイン管理会社)がそのドメインを管理しているかはWHOISに表示されず、登録者か連絡窓口の人がJPRSの窓口に問い合わせる形になっています。
非表示設定の解除や名義の変更も指定事業者を通じて行うため、名義が自社でも管理会社がどこかを知らないと手続きが止まります。
よくある失敗は、WHOISで自社名が出たので安心し、有効期限を見なかった形です。
期限が解約日の直後に来ていると、更新の手続きを誰がするのかが宙に浮きます。
WHOISの検索結果は保存しておき、解約の連絡に「名義と有効期限を確認済み」と書き添えると話が早く進みます。
サイトのデータは3つの形で受け取る
サイトのデータはWordPressの書き出しファイル・サーバー上のファイル一式・データベースの3つの形で受け取ります。
WordPressの公式ドキュメント「Tools Export Screen」によると、管理画面の「ツール」から「エクスポート」を開いて「すべてのコンテンツ」を選ぶと、投稿・固定ページ・コメント・カスタムフィールド・カテゴリー・タグ・ユーザーが1つのXMLファイル(WXR形式)にまとまります。
公式ドキュメントの一覧に画像ファイルの本体は入っていないため、画像はサーバーのwp-contentフォルダにあるuploadsごと受け取る必要があります。
- WordPressの「ツール」から「エクスポート」を開き「すべてのコンテンツ」を書き出す
- サーバーのファイル一式(テーマ・プラグイン・wp-contentのuploads)をまとめて受け取る
- データベースの書き出しファイル(.sql)を受け取る
- 公開中のページを自分のブラウザで全ページ保存し、見た目の控えにする
写真と原稿も同じタイミングで頼みます。
写真は撮影の元データを、原稿は全ページ分のテキストを受け取り、使い続けてよい範囲は契約書の権利の条項で確かめます。
制作会社が撮影した写真や書いた原稿の権利が制作会社に残る契約もあり、その場合にどこまで使えるかは契約書の条項によります。
判断に迷うときは弁護士や商工会議所などの相談窓口で契約書を見てもらってください。
よくある失敗は見た目のHTMLだけを受け取り、WordPressの管理画面で直せない形になるケースです。
新しい会社で同じ構造のまま直せるように、3つの形をそろえて受け取ります。
メールと解析の権限は解約日より前に自社へ移す
メールとアクセス解析は、解約日より前に自社のアカウントを権限の最上位に入れておきます。
メールはドメインと同じサーバーで動いていることが多く、サーバーの契約が終わると同時に受信も止まります。
確かめるのはサーバー管理画面のメール欄で、アカウントの一覧・パスワードを再設定できる権限・転送設定の3つです。
解約と同時にサーバーを変える場合は、新しいサーバーで同じアドレスを先に作り、DNSのMXレコードを切り替えてから旧サーバーを止める順番にします。
Googleアナリティクスの権限は、管理画面の「アカウントのアクセス管理」と「プロパティのアクセス管理」で見ます。
Googleアナリティクスのヘルプ(アクセス管理の説明)によると、役割は管理者・編集者・マーケティング担当者・アナリスト・閲覧者の5つで、ユーザーの追加と削除ができるのは管理者だけです。
自社のアカウントが「管理者」でなければ、解約後に制作会社のアカウントを外せません。
Search Consoleは「設定」の「ユーザーと権限」で確かめます。
Search Consoleのヘルプの権限の説明では、ユーザーの追加と削除ができるのは「所有者」で、フルユーザーと制限付きユーザーにはその権限がないとされています。
| 道具 | 開く場所 | 自社に必要な役割 | その役割だけができること |
|---|---|---|---|
| Googleアナリティクス | 管理の「アカウントのアクセス管理」 | 管理者 | ユーザーの追加と削除 |
| Search Console | 設定の「ユーザーと権限」 | 所有者 | ユーザーの追加と削除・権限の削除 |
| サーバーのメール | サーバー管理画面のメール欄 | 契約者(管理者) | アカウントの作成とパスワードの再設定 |
よくあるのは制作会社のアカウントだけが所有者になっていて、自社は閲覧しかできない状態です。
その状態で解約すると過去のデータは見られても、新しい会社に権限を渡せなくなります。
Search Consoleのヘルプには、所有者が「ユーザーを追加」からGoogleアカウントのメールアドレスと権限を指定して追加する手順が載っているので、自社のアカウントを所有者として追加してもらうよう依頼します。
解約の連絡は契約書の期限に合わせて5項目を書面で伝える
解約の連絡は契約書に書かれた申し出の期限と方法に合わせ、5つの項目を1通の書面にまとめて送ります。
契約書で先に見る項目は契約期間・自動更新・解約の申し出の期限・申し出の方法・データの譲渡条件の5つです。
申し出の期限を過ぎていると1期分の更新が決まる契約もあるため、期限の確認を解約の文面づくりより先にしてください。
文面に入れる5項目は次のとおりです。
- いつ:解約を希望する日(契約の終了日に合わせる)
- 何を:対象の契約名と、ドメイン・サーバー・保守などの範囲
- 何を受け取るか:前の章の3つの形のデータ・写真・原稿と、受け取りの形式
- いつまでに:データの受け渡しと権限の移管を終える日
- 権限の移管:Googleアナリティクス・Search Console・ドメインの名義を自社へ移す依頼
解約の理由は書かなくて差し支えありません。
書くなら事実だけを短く書き、相手を責める言葉を入れないほうが引き継ぎは速く進みます。
メールで送る場合は件名に「解約のご連絡と引き継ぎのお願い」のように内容が分かる言葉を入れ、送信した日時の記録を残します。
契約書に「書面で」と指定があるときは、郵送した日付が分かる方法で送った控えを残してください。
違約金や残期間の支払いが契約書に書かれている場合、その扱いは契約書の条項によります。
自分で判断がつかないときは弁護士や商工会議所などに契約書を見てもらってください。
よくある失敗は、解約日だけを伝えてデータの受け取り期限を書かず、解約日を過ぎてから「もうサーバーにありません」と言われる形です。
受け取りの期限は解約日の2週間以上前に置き、届いたデータが開けるかを解約日より前に確かめます。
解約の直後に起きやすい3つのトラブルを先回りする
解約後に起きやすいのはドメインの失効・サイトの消失・メールの不達の3つで、どれも解約前の準備で避けられます。
| トラブル | 起きる仕組み | 先回りの手 |
|---|---|---|
| ドメインの失効 | 更新の支払いを制作会社がしていて、解約で止まる | WHOISの有効期限を控え、名義と更新の支払いを自社に移す |
| サイトの消失 | サーバーの契約終了でファイルが消える | 3つの形のデータを受け取り、新しい置き場所を解約日より前に用意する |
| メールの不達 | サーバーの終了でメールの受信が止まる | 新しいサーバーで同じアドレスを先に作り、MXレコードを切り替えてから旧サーバーを止める |
ドメインの失効は取り返しがつかないことがあり、期限を過ぎたあとに他の人が登録できる状態になる場合があります。
JPRSの案内では、WHOISへの更新の反映に最長で1日程度かかる場合があるため、名義や期限を変えた直後に見るときは翌日にもう一度確かめます。
よくある失敗は、解約日にサーバーが止まってからメールが届かないことに気づき、取引先への連絡が後手に回る形です。
切り替えの日は平日の午前にし、同じ日に新旧の両方へテストメールを送って届くことを確かめてください。
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