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COLUMN専門コラム

2026/10/14コラム-WEB

行政書士の開業ホームページ|業務の絞り方と報酬表

行政書士の開業ホームページ|業務の絞り方と報酬表

行政書士の開業ホームページは、取扱業務を1〜3分野に絞り、分野ごとにページを分けて報酬額と対応地域を書くところから作ります。
「何でも対応します」と書くより、「建設業許可」「古物商許可」のように依頼者が検索する言葉で1ページずつ答えるほうが、検索結果でも問い合わせでも選ばれやすくなります。

行政書士が扱える書類の範囲は広く、開業直後はどれを前面に出すか迷います。
迷ったまま全部を一覧にすると、事業主も個人の依頼者も、自分の件を頼める人かどうか判断できずに離れます。
依頼者は検索窓に手続きの名前を入れて探すので、サイトの側も手続きの名前で整理しておく必要があります。

業務の絞り方・分野ごとのページの組み立て・報酬額の書き方・地域名の入れ方・広告で確認する点・問い合わせ導線を順に説明します。
行政書士法の広告の扱いは一般論にとどめ、確認先の名前を示します。

取扱業務は3分野までに絞って選ぶ

最初に出す分野は3つまでにして、その分野を選んだ理由を自分で説明できる状態にします。
分野を増やすと、ページが増えるだけでなく、書類の最新情報を追う手間も増えるためです。

分野 検索される状況 主な依頼者 ページで答える点
建設業許可 工事の請負額が増えて許可が必要になった 工事業の事業主 許可の種類・要件・必要書類・期間
古物商許可 中古品の売買を始めたい 個人・小規模事業者 申請先・必要書類・手続きの流れ
飲食店営業許可 店を開く前に必要な手続きを知りたい 開業準備中の方 保健所との事前相談・施設の基準・日程
遺言・遺産分割協議書 家族が亡くなり、書類をそろえる必要がある 相続人の方 戸籍の集め方・書類の種類・費用
在留資格の申請 外国人の雇用や家族の呼び寄せを考えている 事業主・個人 在留資格の種類・申請の流れ・取次の可否

絞る基準は3つあります。
1つ目は自分が実務で書類を作れる分野かどうかです。
2つ目は自分の事務所の地域で依頼がありそうかどうかです。
3つ目は同じ分野の依頼が繰り返し来る見込みがあるかどうかです。
建設業許可は更新や決算変更届などの手続きが続くので、継続して依頼を受けやすい分野の例です。

他の士業の業務にまたがる分野は、線引きをサイトに書いておきます。
たとえば相続では、遺産分割協議書の作成は行政書士の業務の範囲ですが、不動産の相続登記は司法書士の業務になります。
相続登記は2024年4月1日から申請が義務になっており、法務省が案内を出しています。
依頼者が「全部まとめて頼めるのか」と考えやすい分野なので、できる範囲と他の専門家に引き継ぐ範囲を分けて書くと、問い合わせの食い違いが減ります。

よくある失敗は、開業前の勉強で幅広く学んだ分野をすべて並べてしまう失敗です。
実務の経験が浅い分野を前面に出すと、問い合わせが来たときに手続きの詳細を答えられず、信頼を落とします。
経験の少ない分野は、サイトの最後に「ご相談ください」と1行だけ載せる程度にとどめます。

分野ごとのページを1分野1ページで組み立てる手順

分野のページは、依頼者の検索から手続きの完了までを1ページの流れで書きます。
同じ構成を使い回すと、書く側も読む側も迷いません。

  1. 冒頭1文で手続きの名前と結論を書く。
    「建設業許可は、500万円以上の工事を請け負う場合などに必要になります」のように、条件を言い切ります。
    数字や要件の最新の内容は、所管する官公署の案内ページで確認してから書きます。
  2. 該当するかどうかの判断表を置く。
    「許可が必要な場合」と「不要な場合」を2列にして、依頼者が自分で当てはめられる形にします。
  3. 必要書類を一覧にする。
    依頼者が自分で準備するものと、事務所が取得するものを分けます。
  4. 流れを番号で書く。
    相談から書類の収集・申請・許可の通知までを5〜7段階にし、各段階で依頼者が何をするかを添えます。
  5. 期間と費用を書く。
    期間は役所が示す標準的な処理期間を出典つきで書き、事務所の作業期間とは分けます。
  6. よくある質問を3つ置く。
    答えは1文目で結論を言い切ります。

手順1の「500万円」は、建設業法の施行令で軽微な工事として許可が不要とされる請負金額の境目です(建築一式工事などは別の基準があります)。
国土交通省の案内で確認できます。
条件が複数ある手続きでは、記事に書いた数字が古くなっていないかを、毎年1回は国土交通省や都道府県のページで見直します。

役所のページへのリンクを本文に1〜2本入れておくと、読者は一次情報を確認でき、サイトの信頼も上がります。
リンク先が変わると切れるため、公開後も年に1回は確認します。

書類の名前には役所の正式な名称と、依頼者が使う言い方の両方を書きます。
たとえば「決算変更届」を「事業年度終了届」と呼ぶ依頼者もいます。
検索に使われる言い方がページにあるかどうかが、見つけてもらえるかを左右します。

報酬額は「報酬」と「実費」を分けて表にする

報酬額の欄では事務所が受け取る報酬と、役所に払う手数料などの実費を分けて書きます。
合計しか書かないと、依頼者は何にいくら払うのか分からず、見積りを依頼する前に離れます。

行政書士法第10条の2は、行政書士に対して、事務所の見やすい場所に業務で受ける報酬の額を掲示することを求めています。
掲示の様式は日本行政書士会連合会が定める報酬額表の基本様式に準じる形になっています。
ホームページへの掲載を直接の義務として定めた条文かどうかは、この記事では断定できません。
所属する行政書士会に確認してください。

項目 書き方の例 注意点
報酬 「新規申請○円(税込)」 難易度で変わる場合は「から」と変動の条件を書く
法定手数料 「申請先の手数料は実費です」 金額は自治体で異なるため、申請先の案内ページを示す
証明書・郵送費 「実費をいただきます」 取得する証明書の種類を書く
追加作業 「書類の不備の訂正は別料金」 どこから別料金かを具体的に書く

金額を決めるときは、日本行政書士会連合会が公表している報酬額の統計を参照できます。
同会は行政書士法第10条の2第2項に基づき、5年に1度の頻度で全国の報酬額の統計調査を実施しています。
統計は平均や分布の資料であり、自分の事務所の金額を決める根拠は、作業時間と経費から自分で組み立てます。

「低価格」「格安」の書き方は避けます。
他の事務所との比較に根拠を示せないためです。
金額の安さで選ばれた依頼は、追加の手間が出たときに不満が出やすくなります。
報酬に含まれる作業を具体的に並べるほうが、価格の理由が伝わります。

見積りの流れも書きます。
「ご相談の内容をお聞きして、報酬の見積りを書面でお出しします。
ご契約前にお支払いは発生しません」のように、費用がかかる時点を明確にします。

地域名は5か所に入れて、地域ページの量産はしない

地域名はページの見出し・本文の冒頭・事務所情報・プロフィール・Googleビジネスプロフィールの5か所に、事実の範囲で入れます。
全国どこからでも依頼を受ける業務でも、事務所の所在地と対応できる範囲は書いておく必要があります。

入れる場所 書く内容 やってはいけない書き方
分野ページの見出し 「相模原市の建設業許可」のように、事務所のある市区町村名 対応の実態がない市の名前を並べる
本文の冒頭 事務所の所在地と、書類を提出する窓口の名称 地名だけを繰り返して文章にならない状態
事務所情報 住所・最寄り駅・電話・オンライン相談の可否 実在しない住所やバーチャルオフィスを事務所として載せる
プロフィール 登録している行政書士会と、地域での活動 所属していない会の名前を書く
Googleビジネスプロフィール 実在する事務所の住所と営業時間 業務のキーワードを事務所名に足す

市区町村ごとに同じ内容のページを量産するのは、検索のスパムとして扱われる可能性があります。
Google検索セントラルの「スパムに関するポリシー」は、特定の語句で上位に表示させる目的で、似たページを多数作るやり方(ドアウェイページ)をスパムとして挙げています。
ポリシーの内容は更新されるため、最新の文言はGoogle検索セントラルで確認してください。

地域ごとのページを作るなら、その市区町村に固有の情報を載せます。
たとえば提出先の窓口の名称や、その地域の役所・保健所・警察署の案内ページ、実際に相談を受けた地域の傾向です。
窓口の情報がない地域のページは、作らない判断も必要です。

Googleビジネスプロフィールの事務所名は、実際の看板や名刺と同じ名称にします。
ビジネス名にサービス名や地域名を足すと、Googleのガイドライン違反として扱われ、掲載が停止されることがあります。
最新のガイドラインは登録の前に読んでください。

広告を出す前に確認する4つの決まり

行政書士の広告で確認する先は3つあります。
行政書士法と日本行政書士会連合会の会則や規程、所属する行政書士会の規程です。
この記事は個別の表現が適切かを判定するものではなく、確認の順番を示します。

日本行政書士会連合会の広告に関する規程の本文は、公式サイトの規程集で確認できます。
単位会(都道府県の行政書士会)が、独自の運用や相談窓口を設けていることもあります。
迷う表現は公開前に所属する会へ相談するのが安全です。

確認する点 よくある書き方の例 見直す方向
結果の約束 「許可が取れます」 審査は役所が行うため、結果を約束する書き方を避ける
他の士業の業務 「登記も税務申告も対応します」 行政書士の業務の範囲で書き、他の専門家との連携は別に書く
実績の数 「許可取得の実績多数」 件数と集計した期間を事実のとおり書く
報酬の比較 「どこよりも安い」 他と比べる言葉を使わず、含まれる作業と金額を書く

行政書士の業務の範囲や、行政書士でない人が行えない業務については、行政書士法が改正されることがあります。
条文を読むときは、e-Gov法令検索で現行の条文を表示し、改正の日付を確認してください。
この記事の説明が最新の法令と合っているかどうかは、公開後も定期的に見直す必要があります。

出入国在留管理庁の申請取次制度では、地方出入国在留管理局への届出と承認を受けた行政書士が、申請の提出を本人に代わって行えます。
承認を受けていない場合に「申請を代行します」と書くと、誤解を生みます。
自分が持っている資格や届出の範囲を、プロフィールに事実のとおり書きます。

問い合わせ導線は分野別の入口とZOOM相談で組む

問い合わせの入口は分野ページの最後と料金ページ、事務所情報の3か所に置きます。
フォームの最初の質問を「ご相談の分野」の選択式にすると、返信の準備がしやすくなります。

cantik自身の問い合わせページでは、2026年10月のGA4の28日間で、ページに来た181人のうち入力を始めたのは48人でした。
入力欄が多いと感じて離れる人が出ていると考え、必須欄を先に出して内容欄を任意にしました。
この数字は当社のサイトの1つの期間の結果です。
行政書士のサイトで同じ割合になるとは限りませんが、項目を減らす見直しの考え方は使えます。

  1. 必須欄は名前・連絡先・分野の3つにする。
    相談内容は任意にして、書けない人でも送信できるようにします。
  2. 書類の準備を依頼者に求める場合は、フォームではなく返信メールで案内する。
    最初から添付を求めると、送信が止まります。
  3. ZOOMでの相談を選べるようにする。
    遠方の依頼者や、日中に事務所へ行けない事業主にも届きます。
  4. 電話の受付時間を書く。
    外出が多い事務所は、折り返しの目安を添えます。
  5. 返信の目安を日数で書く。
    「2営業日以内」のように、約束できる範囲で書きます。

迷惑送信の対策も、公開前に制作会社と決めます。
cantikでは2026年10月11日に、会社名の欄に詐欺リンクを入れ、自動返信を踏み台にする送信が約77分で2,277件ありました。
名前欄のURLや電話欄の英字など、人の入力では起きない形だけを止め、日本語の名前の送信は止めない設計にしています。
行政書士のサイトでも、自動返信の送信先が問い合わせた本人のアドレスだけになるよう設定します。

cantikでは、開業直後の事務所向けに必要なページだけを絞った制作を、ZOOM・電話・メールでご相談いただけます。
ページ構成や料金の考え方はホームページ制作のページに載せています。

よくある質問

Q1:報酬額はホームページに載せるべきですか

載せることを勧めます。
行政書士法第10条の2は事務所への掲示を定めており、ホームページへの掲載を直接義務づけるかは条文から断定できませんが、依頼者が比較する材料になります。
最低でも「から」の金額と、実費は別という書き方で載せてください。

Q2:取扱業務はあとから増やせますか

増やせます。
分野ごとにページを分けておけば、新しい分野は1ページ足すだけで済みます。
経験を積んだ分野から順に追加し、実績の件数は事実を数えてから載せます。

Q3:地名を入れたページを何本も作ってよいですか

同じ内容を地名だけ変えて量産するのは避けます。
Googleのスパムに関するポリシーでドアウェイページが挙げられているためです。
地域ごとに窓口や相談の傾向など固有の情報がある場合に限って、ページを分けます。

Q4:開業前から準備を始めてよいですか

始められます。
ドメインの取得と業務を絞る作業、報酬表の下書きは、登録手続きと並行して進められます。
公開は登録が済み、事務所情報が確定してからにします。

監修:株式会社cantik(代表取締役 東海林武朗)
最終更新日:2026年10月14日
株式会社cantik / 神奈川県相模原市南区南台5-21-17 セレス南台203号 / 有料職業紹介 許可番号14-ユ-302164 / 会社概要

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