2026/11/07コラム-WEB
ドメインを移管せず制作会社を変えるときの分担表
制作会社を変えても、ドメインの管理会社まで変える必要があるとは限りません。
最初に、ドメインの契約者、接続先を設定する担当者、サイトとメールの設置先を分けて確認します。
この3つを整理してから、新旧の制作会社に変更する作業と継続する契約を伝えましょう。
ドメイン移管とドメインの接続先変更とサイト移設の違い
ホームページの移行に関する用語は混同されやすいため、正しく区別して把握する必要があります。
ドメイン移管、DNS変更、サイト移設はそれぞれ担う役割が異なります。
ドメイン移管の定義
ドメイン移管とは、ドメインの管理事業者自体を変更する手続きを指します。
事業者を変えずにネームサーバーだけを書き換える場合、移管手続きは不要です。
ドメインの接続先変更とサイト移設の定義
DNS変更はドメインが指し示す接続先サーバーの向き先を切り替える作業です。
サイト移設は新しいサーバーへデータ本体を移行する作業であり、DNS変更と組み合わせて行います。
実際の依頼範囲表でみる役割分担
制作会社を変更する際は、作業項目ごとに自社と新旧の制作会社が担当する範囲を明確にします。
以下の依頼範囲表を参考に、自社の体制に合わせた分担を検討してください。
| 作業項目 | 自社(発注者) | 旧制作会社 | 新制作会社 |
|---|---|---|---|
| ドメイン管理権限の確認 | 主導して確認 | 情報提供 | 必要時アドバイス |
| サイトデータの作成 | 要件指示 | 影響なし | 全データ作成 |
| DNS設定の変更 | 承認・指示 | 協力 | 設定値の提示 |
| SSL証明書の切り替え | 申請承認 | 影響なし | 設定代行 |
契約先の名称と現在の構成が分かる資料があれば、変更する設定と継続する契約を相談できます。
架空の作業例を用いた進め方
例えば株式会社サンプルでは、ドメインを維持したまま制作会社を切り替えるプロジェクトを実施しました。
自社でドメインのレジストラ管理画面にログインし、新制作会社から指定されたDNSレコードの値を正確に反映させました。
関係者間での情報共有
移行作業を円滑に進めるためには、相談時に渡す資料と決めたい内容を事前に整理しておくことが大切です。
現在のドメイン管理情報やサーバー契約内容をまとめた資料を用意し、DNSの切り替え日時や作業担当範囲を相互に合意しておきましょう。
関連する情報として、ホームページ制作の基本的な進め方や、月額制のホームページ制作における契約の仕組みも確認しておくと役立ちます。
ドメインとサーバーの所有権の確認方法
ホームページの資産を守るためには、ドメインやサーバーの契約名義が自社になっているか確認することが不可欠です。
制作会社の名義で契約されている場合、移行の交渉が難航する恐れがあります。
レジストラ情報の確認
ドメインがどの事業者で管理されているかは、WHOIS情報などで確認できます。
自社の名義や連絡先が正しく登録されているかを事前にチェックしておきましょう。
セキュリティと安全性の確保
サーバーやドメインの管理権限を移行・運用する際は、情報セキュリティの確保が重要となります。
独立行政法人であるIPA(情報処理推進機構)の公開情報などを参考に、適切なパスワード管理や脆弱性対策を行いましょう。
旧制作会社への連絡とデータ引き継ぎ
制作会社を変更する意向を旧会社へ伝えるタイミングと伝え方は、円満な移行において非常に重要です。
感情的なトラブルを避け、必要なデータや権限の引き継ぎをスムーズに進めましょう。
解約と引き継ぎの切り出し方
契約解除の通知は、契約書に定められた期日を守って書面やメールで行います。
必要なファイルや画像データ、CMSの管理者権限の返還を速やかに依頼します。
データ所有権の整理
制作過程で作成されたオリジナルデザインやソースコードの著作権・所有権を確認します。
自社で保有すべきデータが漏れなく手元にある状態を作ることが、次の制作会社への引き継ぎを円滑にします。
新制作会社への情報提供とキッティング
新しい制作会社へ引き継ぐ情報は、サイトの構造や現在の課題を網羅したものであるべきです。
正確な情報を共有することで、移行後のトラブルを未然に防ぎます。
現状のサイト構造の共有
既存ページのURL構造や、インデックスされている主要なページのリストを整理して渡します。
リニューアルを伴う場合でも、既存の動線を考慮した設計が可能になります。
アクセシビリティの考慮
新しいホームページを構築する際は、利用者が迷いにくい設計や配慮が求められます。
デジタル庁が提供するウェブアクセシビリティに関する考え方なども参考になり、デジタル庁のガイドラインなどを制作時の品質基準として共有するケースもあります。
ドメインの接続先設定変更の実務とトラブル回避
DNS設定の変更作業は、ウェブサイトの表示やメール送受信に直接影響を与える重要なステップです。
事前にテスト環境での確認を徹底し、影響範囲を最小限に抑えましょう。
設定の反映待ち時間の調整と事前準備
DNSレコードのTTL(生存時間)を事前に短く設定しておくことで、切り替え時の浸透時間を短縮できます。
予期せぬトラブルが発生した際にも、迅速に元の状態へ切り戻せる体制を整えておきます。
切り替え後の動作確認
DNS変更後は、パソコンやスマートフォンなど複数の端末から正しく新サイトが表示されるか確認します。
あわせて、お問い合わせフォームからの送信テストや、SEOやMEO施策に影響するタグが正しく設置されているかを検証します。
詳細な対策についてはSEO対策やMEO対策のページもご覧ください。
移行完了後の検証と旧環境の閉鎖
DNSの変更が浸透し、新サイトが安定して稼働していることを確認した後に最終的な閉鎖作業を行います。
旧サーバーの契約や関連サービスの整理を計画的に進めましょう。
常時通信の暗号化や各種機能の検証
新しいサーバー環境において、常時SSLが正常に機能しているか、リンク切れが発生していないかをチェックします。
各種計測タグや外部サービスとの連携が途切れていないかも合わせて確認します。
旧サーバーの安全な解約
移行が完全に完了し、一定期間の安定稼働を確認したうえで旧サーバーの契約を解約します。
データやバックアップが手元に残っていることを最終確認してから、安全に手続きを完了させましょう。
- 判断項目1:ドメイン管理権限の所在
- 自社名義でドメインが管理されているかを確認し、移管を回避する前提を整える。
- 判断項目2:DNSの役割分担
- DNS設定の変更範囲を明確にし、新旧の制作会社と自社の作業分担を固定する。
- 判断項目3:データの完全な引き継ぎ
- 旧環境のデータと著作権を整理し、安全に新環境へサイト移設を完了させる。
発注準備における具体的な記入手順と社内調整
制作会社を変更するプロジェクトを円滑に進めるためには、自社内で必要な項目を事前に整理し、発注準備のためのシートを作成することが重要です。
この章では、実際に管理部門や担当者が記入を進めるための具体的な手順と、社内調整の進め方を詳しく解説します。
事前の準備が不足していると、新旧の制作会社とのやり取りで認識のズレが生じ、公開遅延やメール不通といったトラブルにつながる恐れがあります。
まずは社内の関係者を集め、現在の契約状況やドメインの管理画面にアクセスできるアカウントの有無を確認することから始めましょう。
ドメインやサーバーの管理情報は、担当者の退職や異動によって引き継ぎが漏れやすい資産の一つです。
そのため、契約書類や請求書の控えを洗い出し、正確な情報を一元化する作業が不可欠となります。
情報をまとめる際は、次に示す記入例を参考にして、自社の現状に合わせた項目を作成してください。
この記入例を活用することで、制作会社へのヒアリングや見積もり依頼をスムーズに行うことが可能になります。
実際の業務では、ここに記載されている内容をもとに、自社が主体となってプロジェクトのスケジュールを管理する体制を整えていきましょう。
現状の契約状況とアカウント情報の棚卸し
発注準備の第一歩として、現在利用しているドメインやサーバー、CMSの契約情報をすべて洗い出します。
どこの会社でドメインを取得したのか、管理画面のログインIDとパスワードはどこに保管されているのかを明確にします。
担当者が不在の場合でもログインできるように、共通の管理用メールアドレスが紐づいているかどうかも確認対象となります。
もし不明な点がある場合は、早めに過去の請求書やメール履歴をさかのぼり、契約元のレジストラを特定しておきましょう。
社内関係者との役割分担の決定
プロジェクトを推進するにあたり、社内の誰が最終的な承認を行うのか、誰が制作会社との窓口を担当するのかを決めます。
ホームページの変更は全社に関わるプロジェクトであるため、情報システム部門や総務部門、経営層との連携が必要になるケースが多くあります。
事前に各部門の協力を得られる体制を作っておくことで、DNSの切り替えやドメイン管理権限の確認といった重要作業を円滑に進めることができます。
特に切り替え当日の承認フローは、トラブルを防ぐためにも事前に書面やチャットツールで合意しておきましょう。
新制作会社へ提示する要件の整理
移行先の新しい制作会社へ相談や見積もりを依頼する際は、現状の課題と引き継ぎたい要件を整理した資料を渡します。
既存のホームページのURLリストや、必ず残したい機能、新しく追加したい機能などを箇条書きでまとめておくと効果的です。
デザインのテイストやブランドガイドラインがある場合も、この段階で合わせて共有しておきます。
正確な要件を伝えることで、制作会社からの提案精度が上がり、無駄な工数や追加費用が発生するリスクを大幅に軽減することができます。
仮の記入例を用いたシート作成の手順
ここからは、実際に制作会社への発注準備として活用できる、仮の記入例をテーブル形式で示します。
以下の記入例は、自社のドメイン管理状況やサーバー移行の要件を整理するためのフォーマットです。
各項目に沿って自社の情報を書き込むことで、社内共有や外部への依頼がスムーズに行えるようになります。
| 管理項目 | 現状の登録内容 | 確認方法・確認場所 | 移行時の対応方針 |
|---|---|---|---|
| ドメイン管理 | 仮の記入例:株式会社サンプルレジストラ | WHOIS情報または管理画面 | 自社名義を維持し移管しない |
| DNS設定 | 仮の記入例:お名前.comのDNSサーバー | ドメイン管理会社のコントロールパネル | 新会社の指定値に変更する |
| サーバー契約 | 仮の記入例:Xserverビジネスプラン | 契約確認メールおよび管理画面 | 新制作会社のサーバーへ移設する |
| メール設定 | 仮の記入例:Google Workspaceを利用 | 管理者コンソールおよびDNSレコード | MXレコードを維持して継続利用 |
上記の記入例は、あくまで架空のプロジェクトを想定した仮の記入例ですが、実際の業務でもそのまま活用できる汎用性の高い項目で構成されています。
例えば、ドメイン管理の項目では、自社がレジストラに直接ログインできる状態にあるかを必ず確認します。
DNS設定の項目では、どの事業者の管理画面を操作すべきかを明確にし、切り替え時の混乱を防ぎます。
サーバー契約の項目では、現在のプランと新しい制作会社が推奨する環境の互換性を事前に確認するための基準となります。
メール設定の項目は、ウェブサイトの移行に伴ってメールの送受信が停止するトラブルを防ぐために最も注意すべきポイントです。
これらの項目を一つずつ確認し、シートを完成させることで、実務担当者は自信を持って次のステップへ進むことができます。
発注準備の段階でこれだけの情報を整理できていれば、新旧の制作会社とのコミュニケーションも非常に円滑になり、プロジェクト全体の安全性を高めることができます。
タイムスケジュールとリスク管理の策定
記入例をもとに情報が揃ったら、次は具体的なタイムスケジュールとリスク管理の計画を策定します。
DNSの変更から完全浸透までの期間や、万が一のトラブルが発生した際のロールバック手順を事前に決めておきます。
特に金曜日の夕方や休日前後の作業は避け、十分なサポート体制が確保できる平日の日中に作業を実施するのが一般的です。
リスクに対する備えをあらかじめ社内で共有しておくことで、予期せぬ事態が発生した場合でも冷静かつ迅速な対応が可能となります。
最終的な発注決定とキックオフの実施
すべての準備と社内調整が整ったら、新しい制作会社へ正式に発注を行い、キックオフミーティングを実施します。
これまでに作成したシートや記入例をベースに、関係者全員で最終的なゴールとスケジュールを再確認します。
制作会社との間で認識のズレがない状態を作ることで、ドメインを移管しない安全な制作会社変更プロジェクトを成功へと導くことができます。
まずは無料相談から。
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