2026/10/14コラム-WEB
社労士の開業ホームページ|最初に作る6ページと料金表
社労士の開業ホームページは、トップ・業務内容・料金・プロフィール・事務所情報・お問い合わせの6ページから作り始めます。
顧問とスポットの入口を分け、料金の出し方と問い合わせの手順を先に決めておくと、公開後に直す箇所が少なくなります。
開業したてだと、実績の数も顧問先の名前も出せません。
出せないものを無理に並べると、かえって薄く見えます。
見込み客である事業主が知りたいのは「何を頼めるか」「いくらかかるか」「誰が担当するか」の3点です。
この3点をどのページで答えるかを決めるのが、最初の作業になります。
6ページの中身・顧問とスポットの見せ方・料金表の3つの出し方・問い合わせ導線の組み方・広告の決まりの確認先・公開までの段取りを順に書きます。
最初に作る6ページと、各ページに書く項目
開業直後のサイトは、6ページあれば足ります。
ページ数を増やすより、1ページごとに「見た人が次にどこへ進むか」を決めておくほうが、問い合わせにつながります。
| ページ | 書く項目 | 開業前に用意するもの |
|---|---|---|
| トップ | 誰のどんな困りごとを扱うか。業務の入口3つ。問い合わせへのボタン | 得意分野を1行で言える文章 |
| 業務内容 | 手続き代行・給与計算・就業規則・助成金・労務相談などの範囲 | 自分が受ける業務と受けない業務の線引き |
| 料金 | 顧問とスポットの料金。含まれる範囲と含まれない範囲 | 料金の出し方(次の章で3つ紹介) |
| プロフィール | 顔写真・経歴・登録番号・得意な業種・対応地域 | 社労士登録の情報と写真 |
| 事務所情報 | 事務所名・所在地・電話・営業日・オンライン面談の可否 | 開業登録の内容に合わせた表記 |
| お問い合わせ | フォーム・電話・メール・ZOOM相談の案内 | 返信の目安時間 |
トップに書くのは、事務所の自己紹介ではなく、読んだ人の状況です。
たとえば「従業員を初めて雇う」「就業規則を作っていない」「助成金が使えるか分からない」といった、事業主が検索窓に入れる言い方に合わせます。
業務内容のページでは、社会保険労務士法で社労士の業務として定められている手続きの代行や帳簿書類の作成と、相談・指導の部分を分けて書きます。
分けておくと読む側が整理しやすくなります。
社会保険労務士でない人が報酬を得て手続きを代行することは同法第27条で制限されています。
名称や業務の範囲は、全国社会保険労務士会連合会や所属の都道府県会の案内で確認してください。
ブログやお知らせのページは、6ページには含めていません。
開業直後に更新を約束すると、更新が止まった日付がそのまま不安材料になります。
余力が出てきたら、年度更新や算定基礎届の時期にあわせた短い解説から足すのが続けやすい形です。
顧問とスポットは、依頼の入口を2つに分ける
顧問契約とスポット契約は、同じ料金表に混ぜず、別の入口として見せます。
事業主が探している状況が違うためです。
顧問契約を探す人は、毎月の給与計算や入退社の手続き、労務の相談を継続して任せたいと考えています。
スポットを探す人は、就業規則の作成や助成金の申請など、今ある課題を1回で片づけたいと考えています。
入口が1つだと、どちらの人も「自分向けかどうか」を読み取る手間がかかり、離脱しやすくなります。
| 読者の状況 | 向く入口 | ページで見せる材料 |
|---|---|---|
| 従業員を初めて雇う・手続きが分からない | 顧問 | 入社時の手続き一覧と、毎月の連絡の流れ |
| 常時10人以上になり就業規則を作る必要がある | スポット | 作成から届出までの手順と、打ち合わせの回数 |
| 助成金の対象か知りたい | スポット | 相談から申請までの流れと、費用の発生する時点 |
| 給与計算を任せたい | 顧問 | 締め日ごとの作業の流れと、必要な資料 |
就業規則は労働基準法第89条で、常時10人以上の労働者を使用する使用者に作成と届出が求められています。
この条文を根拠に、「従業員が10人に近づいた」という状況を入口にしたスポットのページを作ると、検索する人の言葉と合います。
スポットから顧問へ移る流れも用意しておきます。
就業規則を作った後に「改正があったときの見直しも頼みたい」と考える事業主は少なくありません。
スポットのページの最後に、顧問契約でできることを2〜3行で案内します。
逆に顧問の入口に、スポット業務の追加料金が発生する場面を書いておくと、契約後の行き違いを避けられます。
よくある失敗は、業務の一覧をそのままページにしてしまうことです。
「給与計算・社会保険手続き・労務相談・就業規則・助成金・人事評価制度」と並べるだけでは、読み手は自分に関係する行を探して終わります。
状況から入口を選ばせる形にしてください。
料金表は3つの出し方から1つを選ぶ
料金表の出し方は、金額を明示する・「から」で示す・見積りにする、の3つです。
開業直後なら全部を明示しなくても構いません。
| 出し方 | 向く業務 | 利点 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 金額を明示 | 給与計算(人数別)・入退社手続き | 問い合わせ前に判断でき、無駄なやり取りが減る | 範囲外の作業が出たときの扱いも書く |
| 「○円から」で示す | 就業規則の作成・顧問契約 | 最低額が分かり、規模で上がる余地を残せる | 何が増えると上がるのかを1行添える |
| 個別見積り | 助成金・制度設計・相談 | 案件ごとに作業量が違っても対応できる | 見積りまでの流れと期限を書く |
どの出し方でも、料金表に欠かせないのは「含まれるもの」と「含まれないもの」です。
顧問料に月1回の面談が入るのか、行政の調査対応は別料金なのかを書いていないと、契約後に事業主が「ここまで含まれていると思った」と感じる原因になります。
金額の相場を調べるときは、所属する都道府県の社会保険労務士会や全国社会保険労務士会連合会が公開している資料を見ます。
他の事務所のサイトを見比べるだけで決めると、相場の幅の中でどこに置くのかの根拠が自分の中に残りません。
助成金の申請を成功報酬で受ける場合は、受給を約束するように読める書き方を避けます。
助成金は要件を満たして審査を通る必要があり、結果を事務所が約束できるものではないためです。
「受給額の○%」と書くなら、受給が決まった時点で発生する費用だと、日付ではなく状態で書いてください。
広告としての表現が適切かどうかは、所属する社会保険労務士会の会則や倫理に関する規程で確認します。
判断に迷う表現は、会に問い合わせてから載せるのが安全です。
問い合わせ導線は、入力項目を絞って3か所に置く
問い合わせの入口は、トップ・料金ページ・プロフィールの3か所に置き、フォームは入力項目を最小にします。
電話とメールに加えて、ZOOMでの相談も並べて選べるようにします。
cantik自身の問い合わせページで、2026年10月のGA4の28日間を測りました。
ページに来た181人のうち、入力を始めたのは48人です。
長いフォームを見て離れる人が多いと考え、必須欄を先に出して内容欄を任意に変えました。
この数字はcantikのサイトの1つの期間の結果で、社労士のサイトでも同じになるとは言えません。
ただし「項目が多く見えるだけで離れる」という見直しの考え方は、そのまま使えます。
- 必須欄を3つに絞る。
お名前・連絡先(メールか電話)・相談の種類(顧問・就業規則・助成金・その他)にします。 - 相談内容の自由記入は任意にする。
書き方に迷う人が、そこで止まらなくなります。 - 従業員数は選択式にする。
「1〜4人」「5〜9人」「10人以上」のような区切りにすると、答えやすく、提案の規模も見当がつきます。 - 送信後の返信目安を書く。
「2営業日以内にメールまたはお電話でご連絡します」のように、日数で書きます。 - 電話の受付時間を書く。
受けられない時間帯があるなら、メールかフォームを案内します。
迷惑送信への備えも必要です。
cantikでは2026年10月11日に、会社名の欄に詐欺リンクを入れ、自動返信を踏み台にする送信が約77分で2,277件ありました。
人の入力では起きない形(名前欄のURLや電話欄の英字など)だけを止め、日本語の名前の送信は止めない設計にしています。
自動返信を設定するときは、送信先が本人のメールアドレスだけになるか、確認画面を挟むかを制作会社と決めておきます。
面談はZOOMで受けられると伝えておくと、来所しにくい事業主にも届きます。
事務所の住所は、事務所情報のページに書きます。
自宅で開業する場合に住所をどこまで出すかは、登録や会の規程に沿って決めてください。
公開前に確認する広告の決まりと、出典の探し方
社労士の広告について、社会保険労務士法に広告そのものを細かく定めた条文があるわけではありません。
確認する先は全国社会保険労務士会連合会の会則・倫理に関する規程と、所属する都道府県社会保険労務士会の会則・規程です。
2000年の厚生省(当時)の資料では、広告の規制は全国社会保険労務士会連合会が作成する倫理規程の準則に置かれているという趣旨の説明があります。
現在の運用は変わっている可能性があるため、公開前に最新の会則を読んでください。
個別の表現が適切かどうかの判定は、この記事の範囲外です。
| 確認する点 | よくある書き方の例 | 見直す方向 |
|---|---|---|
| 実績の表示 | 「相談実績多数」 | 件数と期間を事実のとおり書く。数えていないなら書かない |
| 結果の約束 | 「助成金の受給をお約束します」 | 要件と審査があること、結果は約束できないことを書く |
| 依頼先の名前 | 顧問先のロゴや社名 | 掲載の承諾を書面かメールで残してから載せる |
| 料金の表示 | 「格安」 | 金額と含まれる範囲を並べて書く |
依頼者から聞いた内容や事例を載せるときは、社会保険労務士法に定められた秘密を守る義務を踏まえ、個人や会社が特定されない書き方にします。
事例は「よくあるのは〜」の形で一般化して書くと、承諾を取る負担も減ります。
全国社会保険労務士会連合会の会則には、依頼を勧誘するときの氏名や目的の明示、報酬など判断に影響する重要事項を偽らないことに関する定めがあると案内されています。
条文の番号と現行の文言は、会則の原文で確認してください。
ホームページの料金ページは、この重要事項を伝える場所になります。
「社会保険労務士」の名称は、登録した人だけが使えます。
事務所名やサイトの名前に社労士を思わせる言葉を入れる場合も、登録の状態と合わせて確認してください。
開業から公開までの4週間の段取り
ホームページは開業の登録手続きと並行して4週間で公開まで進められます。
遅れやすいのは文章と写真なので、制作会社に頼む場合も、先にこの2つの準備を始めます。
- 1週目はページの設計と得意分野の言語化。
6ページの見出しと、受ける業務・受けない業務の線引きを書き出します。
ここで決めた線引きが、料金表と問い合わせフォームの項目に反映されます。 - 2週目は料金表と原稿。
料金の出し方を3つから選び、含まれる範囲を書きます。
プロフィールの経歴は、相談者が安心する順(資格・経験年数・対応業種)に並べます。 - 3週目は写真とフォームの設定。
顔写真は正面からの明るい1枚を用意します。
フォームの項目と返信メールの文面を決め、テスト送信で自分のメールに届くかを確かめます。 - 4週目は公開前の点検。
スマホでの表示、電話番号のタップ、広告表現の最終確認をします。
会則を読み直して、載せた表現に迷う箇所を会へ問い合わせます。
公開後にはGoogleビジネスプロフィールの登録を検討します。
事務所に来所を受け付けない場合や自宅で開業する場合は、住所を表示せずサービスの提供地域を設定する方法がGoogleのヘルプに案内されています。
ヘルプの内容は変わるため、登録時に最新の案内で確認してください。
cantikでは、開業直後の事務所向けに必要なページだけを絞った制作を、ZOOM・電話・メールでご相談いただけます。
料金や契約の条件はプランのページに載せています。
よくある質問
Q1:実績がないうちは何をプロフィールに書けばよいですか
経歴と得意分野、対応する業種と地域を事実のとおり書きます。
実績の件数を示せないときは、前職での経験年数や扱った手続きの種類のように、数えられる情報で示してください。
顧問先の名前を出す場合は、掲載の承諾を残してからにします。
Q2:料金表は公開しないほうがよいですか
全額を出す必要はありませんが、「から」や見積りの流れまでは書くことを勧めます。
料金がまったく分からないページは、問い合わせの手前で離れる人が増えます。
顧問と就業規則作成の2つだけでも、含まれる範囲を添えて載せると、事業主は自分の予算と照らして動けます。
Q3:ブログはいつから始めればよいですか
公開時点では不要です。
年度更新や算定基礎届のように時期が決まった手続きから、月1本を目安に始めると続けやすくなります。
時期や提出先は年によって変わるため、厚生労働省や日本年金機構の案内で最新の日付を確認してから書いてください。
Q4:制作会社に頼むときは何を先に決めておけばよいですか
受ける業務と受けない業務の線引き、料金の出し方、写真の撮影日の3つです。
この3つが決まっていると、見積りの範囲もぶれません。
ページ構成や費用の考え方は、ZOOM・電話・メールで相談できます。
まずは無料相談から。
「何から始めればいいか分からない」段階でも大丈夫。
いまのサイトの入口を見える化し、直す順番をご提案します。
ご相談・お見積りはすべて無料です。
お電話でのご相談(平日09:00〜18:00)
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