2026/10/14コラム-WEB
不動産開業のホームページ|ポータルとの分担と表示の注意
不動産業を開業したら、物件の集客はポータルサイトに任せ、自社のホームページは「会社を信用してもらう場所」と「売却や管理の相談を受ける場所」として作ります。
開業直後は物件数も実績も少なく、ポータルの一覧の中で目立つのは簡単ではありません。
そこで自社サイトには、免許の情報・代表者の顔・扱うエリア・相談の流れを置き、ポータルで物件を見た人が「この会社に頼んで大丈夫か」を確かめに来たときの受け皿にします。
この記事では役割の分け方と開業時に作るページを説明し、物件情報の更新の手順と、宅建業法や表示のルールで確認したい点を順に書きます。
法令の解釈は一般的な説明にとどめているので、個別の判断は免許行政庁や所属団体に確認してください。
ポータルと自社サイトの役割は表の4項目で分ける
ポータルサイトは物件を探している人に見つけてもらう場所で、自社サイトは会社を選んでもらう場所です。
同じ物件情報を両方に同じ形で載せるより、役割を分けたほうが更新の手間も減ります。
| 項目 | ポータルサイト | 自社のホームページ |
|---|---|---|
| 来る人 | 条件で物件を探している人 | 会社名で調べた人・売却や管理を考えている人 |
| 載せる中心 | 物件の写真・間取り・賃料や価格 | 免許の情報・代表者・取扱エリア・相談の流れ |
| 強み | 掲載したその日から閲覧される | 文章と写真を自由に作れ、他社と並ばない |
| 弱み | 他社の物件と横並びで比べられる | 検索で見つけてもらうまで時間がかかる |
開業したての会社が自社サイトで物件検索の仕組みまで作り込むと、制作費と毎日の更新作業が一気に増えます。
物件の一覧はポータルの自社ページへのリンクで済ませ、自社サイトは売却査定や賃貸管理の相談を受ける入口に絞ると、少人数でも回せます。
売却を考えている人は、物件を探す人と違ってポータルの一覧から会社を選ぶとは限りません。
地域名と「不動産売却」「査定」のような語で調べ、出てきた会社のサイトで担当者の顔と実績を見てから連絡するのが一般的な流れです。
この人たちを受け止める場所は、自社のホームページにしか作れません。
賃貸管理の相談も同じで、オーナーは管理を任せる会社の担当者・管理戸数・報告の頻度を見比べてから連絡します。
管理の受託を事業の柱にするなら、管理の流れと毎月の報告書の見本を1ページにまとめておくと、相談の段階で説明する時間が短くなります。
開業時に作るページは6つに絞る
開業時は次の6ページがあれば、会社を確かめに来た人の疑問にひととおり答えられます。
- トップ(取扱エリア・得意な取引・電話番号を1画面目に置く)
- 会社概要(商号・免許証番号・所在地・代表者・所属団体)
- 代表あいさつ(開業の理由と、これまでの経歴)
- 売却・査定の流れ(相談から引き渡しまでを5〜7段階で)
- 物件情報(ポータルの自社ページへのリンクか、厳選した数件)
- 問い合わせ(電話・メール・オンライン面談の3つの窓口)
開業直後は「実績」のページを無理に作らなくて構いません。
取引の件数が少ない時期に事例を水増しすると、後から事実と合わなくなります。
代わりに代表あいさつで、前職で担当した業務や扱ってきた地域を具体的に書くと、経験の中身が伝わります。
代表者の顔写真には、事務所の前か接客のカウンターで撮った実物の写真を使います。
素材サイトのモデル写真は、来店した人が「写真と違う」と感じる原因になるので避けてください。
査定の流れのページでは、査定の方法を2種類に分けて書くと問い合わせが具体的になります。
過去の取引事例などから出す机上の査定と、現地を見て出す訪問の査定です。
それぞれの所要日数と、依頼する人が用意する書類を書いておくと、電話での説明が短くなります。
免許番号と広告の表示は宅建業法と公正競争規約で確認する
自社サイトも広告にあたるため、宅地建物取引業法(宅建業法)と、不動産公正取引協議会が運用する不動産の表示に関する公正競争規約で表示のルールを確認します。
ここでは一般的な考え方を書きます。
具体的な表記は、免許を受けた都道府県や国土交通省の窓口、所属する業界団体の資料で確かめてください。
| 確認する点 | 根拠の例 | サイトで気をつける所 |
|---|---|---|
| 免許証番号の表示 | 公正競争規約の表示事項 | 会社概要とフッターに正しい番号を書く |
| 誇大な表示の禁止 | 宅建業法第32条 | 「駅近」「格安」などの言葉と実際の条件を合わせる |
| 広告を始められる時期 | 宅建業法第33条 | 建築確認などの前の未完成物件を載せない |
| 取引態様の明示 | 宅建業法第34条 | 売主・代理・媒介のどれかを物件ごとに書く |
免許証番号は「○○県知事(1)第○○号」のような形で、括弧の中の数字は免許の更新回数を表します。
免許の有効期間は5年なので、開業から5年後の更新で数字が変わります。
更新したのにサイトのフッターだけ古い番号のまま残っている状態は、よく見かける見落としです。
会社概要・フッター・ポータルの会社情報の3か所を、更新の通知が届いた日にまとめて直す手順を決めておきます。
「地域で一番」「立地」のような最上級の言葉は、根拠を示せない限り使わないのが安全です。
公開の時期は免許と営業開始の4段階に合わせる
自社サイトで営業の案内を始めるのは、免許を受けて営業を始められる状態になってからにします。
宅建業法第12条では、免許を受けていない者が宅地建物取引業を営む旨の表示や広告をすることを禁じています。
制作を早めに進めること自体は問題ありませんが、公開と営業の案内は次の段階に合わせて切り替えます。
- 免許の申請中は、サイトを非公開のまま原稿と写真を準備する
- 免許の通知を受けたら、免許証番号を会社概要とフッターに入れる
- 営業保証金の供託か保証協会への加入を済ませて届け出たら、サイトを公開して問い合わせの窓口を開ける
- 営業を始めたら、ポータルとGoogleマップの会社情報を同じ内容にそろえる
営業保証金の供託か保証協会への加入を済ませて届け出るまでは、事業を始められない決まりがあります。
開業日を先に告知したくなる時期ですが、手続きの完了日は前後しやすいものです。
サイトでは「開業準備中」の案内にとどめ、日付は確定してから入れると書き直しが減ります。
免許証番号は通知の書面を見ながら1文字ずつ入力し、公開前に別の人が読み合わせをしてください。
番号の桁の打ち間違いは、本人が見直しても気づきにくい種類の誤りです。
物件情報の更新は成約後に消す手順から決める
物件情報で最初に決めるべきなのは、載せる手順より「成約した物件をいつ、誰が消すか」です。
成約済みの物件を掲載し続けると、公正競争規約が禁じるおとり広告と受け取られるおそれがあります。
実際には契約が済んで忙しい時期に削除が後回しになり、問い合わせが来てから気づく形がよくある失敗です。
開業時に次の4手順を紙に書き、事務所の机に貼っておくと漏れが減ります。
- 申込みが入った日に、ポータルと自社サイトの両方で「商談中」の表示に切り替える
- 契約の日に掲載中の全サイトの一覧を開き、該当物件を非公開にする
- 非公開にしたサイト名と日付を、物件の管理表の備考欄に書く
- 毎週月曜の朝に管理表と各サイトの掲載中の一覧を突き合わせる
自社サイトに物件を載せない運用にしておけば、消す場所はポータルだけになり、手順の2と3が軽くなります。
反対に自社サイトにも物件を載せる場合は、ポータルと同じ管理画面から一括で更新できる仕組みかどうかを、制作会社に先に確認してください。
手作業で2か所を直す運用は、物件数が増えた時期に漏れが出やすくなります。
エリアのページで地域の相談を受ける
自社サイトで検索から人を呼ぶなら、取扱エリアごとのページを作り、その地域で相談を受けていることを具体的に書きます。
ポータルが強いのは物件名や条件の検索で、地域名と「売却」「管理」「相談」を組み合わせた検索では、地元の会社のサイトにも出番があります。
エリアのページに書く内容は、次の3つを目安にします。
- その地域で扱う物件の種類(戸建て・マンション・土地・貸店舗など)
- 事務所からの距離と、現地の案内にかかる時間
- その地域で相談の多い内容と、相談から査定までの流れ
地域の相場や学区の情報を書く場合は、変わりやすい情報なので出典と調べた日付を添えます。
古い数字のまま残ると、閲覧した人の判断を誤らせる原因になります。
Googleビジネスプロフィールにも登録し、事務所の写真・営業時間・定休日を自社サイトと同じ内容にそろえます。
地図で事務所を見つけた人は、そのまま自社サイトへ移って会社概要を確かめるので、両方の情報が食い違っていないかを月に1回見比べてください。
よくある質問
Q1.開業時に自社サイトとポータルのどちらを先に用意すべきですか
物件の集客を急ぐならポータルの掲載を先に始め、自社サイトは会社概要と相談の窓口だけでも同じ時期に公開しておくのが無理のない順番です。
ポータルで物件を見た人が会社名で検索したとき、何も出てこない状態を避けられます。
自社サイトの公開が遅れる場合でも、Googleビジネスプロフィールの登録だけは先に済ませておくと、会社名の検索で所在地と電話番号が表示されます。
Q2.物件情報は自社サイトにも載せたほうがよいですか
開業直後は載せなくても困りません。
成約後の削除を2か所で行う手間が増えるため、物件数と担当者の人数が増えてから検討すれば十分です。
自社サイトにも載せるのであれば、ポータルと同じ写真を並べるだけでは役割が重なります。
担当者のコメントや周辺の様子を足して、自社サイトで読む理由を作ってください。
Q3.免許証番号はどこに書けばよいですか
会社概要のページと、全ページに出るフッターの2か所に書くのが一般的です。
表記の細かい決まりは、所属する団体や不動産公正取引協議会の資料で確認してください。
cantikでは、不動産会社の開業時のホームページやGoogleマップの整え方について、ZOOM・電話・メールでご相談いただけます。
まずは無料相談から。
「何から始めればいいか分からない」段階でも大丈夫。
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