2026/10/14コラム-WEB
ホームページ制作会社が倒産したら|ドメインとサイトを守る手順
ホームページの制作会社が倒産した、あるいは連絡が取れなくなったときに最初にすることは、ドメインの名義と有効期限をWHOISで調べることです。
名義が自社でドメインの期限に余裕があれば、サイトが一時的に止まっても作り直せます。
名義が制作会社で期限が近い場合は、期限までに動かないとドメインごと失うことがあります。
請求書は届かなくなったのに電話は留守番電話のまま。
メールの返事が数週間ない。
会社のサイトを開くと表示が止まっている。
こうした状態で初めて「サイトは誰のものだったのか」を考え始める方は少なくありません。
この記事はWHOISで名義と期限を見る方法と、ドメインを取り戻す道筋が名義でどう分かれるかを先に書きました。
続けて期限切れで何が起きるか・サーバーとバックアップの対処・新しい会社へ渡すまでの順番を説明します。
ドメインの規則はJPRS(.jpの管理団体)とICANN(.comなどの国際的な管理団体)の公開文書、WordPressのバックアップはWordPress.orgの公式文書をもとにしています。
連絡が取れなくなったら最初の3日でWHOISの3項目を見る
制作会社と連絡が取れないと分かったら、相手の返事を待たずに自分でWHOISを開き、登録者・有効期限・ロックの3項目を確かめます。
WHOISはドメインの登録情報を誰でも調べられる仕組みで、.jpのドメインはJPRSが運営する「JPRS WHOIS」で検索できます。
JPRSはWHOISへのデータ反映に最長で1日かかる場合があると案内しています。
手順は次の4つです。
- JPRS WHOISを開き、検索タイプを「ドメイン名情報」にして自社のドメインを入力する
- co.jpなどの属性型では「組織名」の欄、.jpだけの汎用型では「登録者名」の欄を見て、自社の名前か制作会社の名前かを確かめる
- 有効期限を見る。
汎用型は「有効期限」の欄に日付があり、属性型は「状態」の欄のかっこの中に期限の日付が入る - 「ロック状態」の欄を見る。
指定事業者変更ロックが付いていると、管理する事業者を変える申請が受け付けられない
.comや.netなどのドメインはICANNが提供する検索(ICANN Lookup)で調べます。
見る欄はRegistrar(管理している事業者)・Registry Expiry Date(有効期限)・Domain Status(clientTransferProhibitedなら移管のロック中)の3つです。
登録者の氏名や連絡先は非表示になっている場合が多いものの、管理している事業者の名前と期限は表示されます。
| 見る項目 | .jp(JPRS WHOIS) | .comなど(ICANN Lookup) | 分かること |
|---|---|---|---|
| 名義 | 組織名または登録者名 | Registrant(非表示の場合が多い) | 取り戻す道筋がどちらか |
| 有効期限 | 有効期限の欄または状態のかっこ内 | Registry Expiry Date | いつまでに動く必要があるか |
| 管理事業者 | 担当者情報から分かる場合がある | Registrar | 問い合わせ先 |
| ロック | ロック状態 | Domain Status | 移管の前に解除が要るか |
よくあるのはサイトが止まってから制作会社を探し始め、WHOISを見た時点で有効期限が過ぎていた形です。
サイトの表示が止まった原因はサーバーの停止であることが多く、ドメインの期限とは別の問題です。
先にドメインの期限を見れば、まだ動ける残り日数が分かります。
ドメインの取り戻し方は名義で2つに分かれる
ドメインを自社の手元に置く方法はWHOISの名義が自社か制作会社かで2つに分かれます。
自社名義なら管理事業者の変更だけで済み、制作会社名義なら登録者の変更が先に要ります。
自社名義の場合の手続きは、JPRSの「ドメイン名の管理指定事業者の変更」に流れが載っています。
登録者が今の指定事業者に認証コード(AuthCode)を確認し、新しい指定事業者にそのコードを添えて申し込むと、今の指定事業者を通じて登録者に承認の確認が届きます。
ここで問題になるのは、認証コードを出す「今の指定事業者」が制作会社そのものか、制作会社が窓口になっていた代理店である場合です。
制作会社が代理店(リセラー)として契約していただけなら、その上にいる指定事業者の窓口に登録者本人として連絡を取ると、本人確認のうえで手続きが進められる場合があります。
問い合わせ先はドメインの契約時の控えや、過去の請求書の名目から探せます。
.comなどではICANNの「Transfer Policy」が、登録事業者は登録者から求められたら5日以内に認証コードを渡すことと定めています。
| WHOISの名義 | 要る手続き | 誰の承認が要るか | 進まないときの相談先 |
|---|---|---|---|
| 自社 | 管理事業者の変更(認証コードの取得と承認) | 自社(登録者本人) | 今の指定事業者の窓口、またはその上位の事業者 |
| 制作会社 | 登録者の変更(JPでは「移転」)をしたうえで、管理事業者の変更 | 制作会社(登録者) | 倒産なら破産管財人、連絡不通なら弁護士 |
制作会社名義の場合、ドメインは法律上その会社の財産です。
破産の手続きが始まると会社の財産を扱う権限は裁判所が選んだ破産管財人に移り、官報の公告に管財人の名前が載ります。
管財人に「このドメインを譲り受けたい」と申し出る形になり、自社だけでは名義を動かせません。
JPRSの「JPドメイン名の各種申請について」には、事業譲渡でドメイン名を別の会社に移す場合は移転申請の手続きを使うと書かれています。
申請はすべて指定事業者を通じて行い、JPRSに直接は申請できません。
よくある失敗は、名義が制作会社のまま新しい制作会社にサイトを作り直してもらい、ドメインの期限が来て公開先のアドレスごと消える形です。
名義の確認は作り直しの発注より先に済ませてください。
期限切れのドメインは1か月で第三者が取れる状態になる
.jpのドメインは有効期限を過ぎて更新されないと、汎用型では期限の翌日から1か月の「廃止」状態を経て、同じ文字列を誰でも登録できる状態になります。
JPRSの「JPドメイン名のライフサイクル」によると、汎用JPは期限までに廃止されなければ1年間自動で更新されますが、更新の料金は指定事業者を通じて支払う仕組みです。
制作会社が支払いを止めると自動更新は続きません。
期限が過ぎた汎用JPは翌日から1か月間(月末まで)「廃止」の状態になり、その月の1日から20日までが登録回復の期間です。
回復されなければレジストリのデータベースから削除され、再登録できる状態になります。
co.jpなどの属性型は廃止日または有効期限の翌日から6か月間(月末まで)「廃止」の状態が続き、その後に削除されます。
登録回復の受付と費用は指定事業者によって異なるため、期限が過ぎていたら日を置かずに指定事業者へ連絡してください。
.comなどはICANNの「Expired Registration Recovery Policy」が共通の規則です。
登録事業者は期限の約1か月前と約1週間前の2回以上、期限の通知を送ることになっています。
期限後に削除された場合、レジストリは削除から30日間の回復期間(Redemption Grace Period)を設け、この期間は登録者が回復できることになっています。
回復の手数料は登録事業者のサイトに表示する決まりです。
| ドメイン | 期限後の状態 | 回復できる期間 | その後 |
|---|---|---|---|
| 汎用JP(.jp) | 翌日から1か月の「廃止」 | その月の1日から20日 | 削除されて再登録が可能になる |
| 属性型JP(co.jpなど) | 翌日から6か月の「廃止」 | 指定事業者に確認 | 削除されて再登録が可能になる |
| .comなど | 登録事業者が削除するまで更新できる期間がある | 削除から30日 | 削除されて再登録が可能になる |
削除後に第三者が登録したドメインは、原則として取り戻せません。
JPRSの「ドメイン名の廃止に関する注意」には、他サイトからのリンクや検索エンジンの評価が残るため第三者に登録されて詐欺サイトなどに使われるおそれがあり、商標侵害などの紛争処理の事由がない限り差し止めはできないと書かれています。
通知のメールが制作会社にしか届いていない場合、自社では期限が近いことに気づけません。
WHOISで期限を見るのは、この通知の代わりになる手段です。
サーバーは契約者を確かめて2つの手を打つ
サイトの表示が止まる直接の原因はサーバーの支払いが止まることなので、サーバーの契約者が誰かを確かめ、契約の引き継ぎとデータの持ち出しの2つを同時に進めます。
契約者を確かめる手がかりは、制作会社から届いていた請求書の明細・サイトのネームサーバー名・自社に届いているサーバー会社からのメールの3つです。
ネームサーバー名はWHOISの「ネームサーバ」の欄に載っていて、どのサーバー会社を使っているかの手がかりになります。
サーバー会社に問い合わせるときは、ドメイン名・サイトのURL・自社が制作会社とかわした契約書の写しを用意し、次の2点を聞きます。
- 契約の名義を自社に変える手続きがあるか、あるなら何の書類が要るか
- 名義変更ができない場合、サーバーが止まる予定日と、止まる前にデータを取り出す方法があるか
名義変更ができるかどうかはサーバー会社の規約によるため、できると決めてかからず、断られた場合にすぐバックアップへ切り替えられるよう2つを並行させてください。
よくあるのは契約者が制作会社で、サーバー会社からは「契約者以外には対応できない」と返ってくる形です。
この場合は自社でサイトの表示が見られる間にバックアップを取り、新しいサーバーに移す方針に切り替えます。
メールアドレスが同じサーバーで動いている場合は、サーバーが止まった時点でメールも届かなくなります。
問い合わせや取引先からのメールを受ける経路を、別のメールサービスや新しいサーバーに先に用意しておくと、サイトより先にメールが止まる形を避けられます。
バックアップは入れる範囲で3段階に分けて取る
バックアップはサーバーの管理画面に入れるか・WordPressの管理画面に入れるか・どちらにも入れないかで取れるものが変わり、3段階のうち今できる段階から始めます。
WordPress.orgの公式文書「Backups」には、サイトはデータベースとファイルの2つの部分からでき、両方がそろって初めて元どおりに復元できると書かれています。
| 入れる場所 | 取れるもの | 取り方 |
|---|---|---|
| サーバーの管理画面 | ファイル一式とデータベース(完全な復元ができる) | ファイルマネージャーで公開フォルダを圧縮して保存し、データベースの管理ツールから.sql形式でエクスポートする |
| WordPressの管理画面だけ | 記事・固定ページ・メディアの一覧(デザインと設定は含まれない) | 「ツール」の「エクスポート」で記事と固定ページを書き出し、「メディア」から画像を保存する |
| どちらにも入れない | 公開されている表示だけ(文章と画像の素材として使える) | ブラウザで各ページを「ウェブページ、完全」の形式で保存し、画像を個別に保存する |
1段階目で取れた場合、WordPress.orgの文書は取る順番をデータベースが先でファイルが後とし、戻す順番はファイルが先でデータベースが後としています。
保存したファイルはパソコンとクラウドの2か所に置き、ファイル名に取得日を入れてください。
2段階目のエクスポートはWordPressの標準機能で、XML形式のファイルが出ます。
新しいサイトに取り込むと記事と固定ページの文章は戻りますが、テーマ・プラグイン・デザインの設定は含まれないため、見た目は作り直しになります。
3段階目はサイトが表示されている間しか取れません。
連絡が取れないと分かった日に、まず全ページの保存だけ済ませておくと、文章と写真の素材は手元に残ります。
よくある失敗は「新しい会社が決まってから一緒に取ろう」と待っているうちにサーバーが止まり、3段階目すら取れなくなる形です。
バックアップは会社選びより先に進めてください。
倒産の連絡が届いたあとの手順は6つで進める
倒産や連絡不通が分かったあとは、ドメインの確認・バックアップ・サーバーへの連絡・名義の手続き・新しい会社の選定・切り替えの6つを順番に進めます。
- WHOISで名義・有効期限・ロックを調べ、残り日数を書き出す
- 今日入れる範囲でバックアップを取り、公開されているページも保存する
- サーバー会社に契約の名義変更と停止予定日を問い合わせる
- ドメインが自社名義なら認証コードの取得を進め、制作会社名義なら管財人か弁護士に相談する
- 新しい制作会社に1から3の結果を渡し、移す作業の範囲を見積もってもらう
- 新しいサーバーにサイトとメールを用意してからDNSを向け替え、古い環境が止まるのを待つ
4の相談は費用がかかりますが、ドメインの文字列を社名や店名で使っていて名刺・看板・取引先の登録に広く載っている場合は、新しいドメインで作り直す費用と比べて判断します。
5で新しい会社に渡す資料は、WHOISの検索結果・バックアップの一覧・サーバー会社からの回答の3つです。
この3つがあれば、新しい会社はドメインの手続きとサイトの復元のどちらを先に動かすかを決められます。
今回のような事態を次に起こさないためには、ドメインの登録者とサーバーの契約者を自社名義にし、期限の通知が自社のメールに届く状態にしておくことです。
制作会社には管理者や編集者として入ってもらう形にすれば、会社が替わっても名義を動かさずに済みます。
cantikでは制作会社の倒産や連絡不通で止まったサイトの復旧と作り直しのご相談をZOOM・電話・メールで受けています(ホームページ制作のページ)。
契約は1年ごとで、2年続けていただいた時点でサイトのデータを無償でお渡しし、移管などの細かい作業は別途費用でお手伝いします。
まずは無料相談から。
「何から始めればいいか分からない」段階でも大丈夫。
いまのサイトの入口を見える化し、直す順番をご提案します。
ご相談・お見積りはすべて無料です。
お電話でのご相談(平日09:00〜18:00)
080-7084-3102 タップで発信


