2026/10/14コラム-WEB
ホームページ作り直しでドメインを変えない理由と変える手順
業者を変えてホームページを作り直すとき、ドメインは変えないのが基本です。
変えるのは社名や屋号が変わったときなど、今のドメインを使い続けられない事情があるときに限ります。
今の制作会社との契約を終えて別の会社に作り直してもらう場面で「心機一転で新しいドメインにしませんか」と提案される場面があります。
今のドメインが制作会社の名義で返してもらえるか分からず、変えるかどうかで迷う方も多いです。
この記事ではドメインを変えない理由を3つに分けて書きました。
続けて同じドメインでもURLが変わるページに要る転送・どうしても変えるときの対応表と301リダイレクトの手順・Search Consoleのアドレス変更ツールの使い方を説明します。
検索に関する記述はGoogle検索セントラルの「リダイレクトとGoogle検索」「サイトを移転する方法」と、Search Consoleヘルプの「アドレス変更ツール」をもとにしています。
作り直しでドメインを変えない理由は3つある
ドメインを変えないほうがよい理由は、検索の評価・印刷物と登録先・メールアドレスの3つで、どれも新しいドメインに移すには手間と時間がかかります。
1つ目は検索の評価です。
Googleの「サイトを移転する方法」は、移転中は検索順位が一時的に変動することがあり、小規模から中規模のサイトでも反映に数週間かかる場合があると書いています。
移転で評価が上がるとは書かれていません。
他のサイトから張られているリンクも古いドメインに向いたままです。
転送を設定すれば新しいドメインへ受け継がれますが、Googleは転送を1年以上保持することを目安としており、そのあいだ古いドメインの費用も払い続けます。
2つ目は印刷物と登録先です。
名刺・看板・パンフレット・車の社名表示・取引先の登録・Googleビジネスプロフィールのウェブサイト欄・SNSのプロフィールに古いドメインが載っていれば、すべてを書き換える作業が発生します。
3つ目はメールアドレスです。
ドメインを変えるとメールアドレスも変わり、取引先全員に新しいアドレスを伝えることになります。
古いドメインを手放すと、JPRSの「ドメイン名の廃止に関する注意」にあるとおり、第三者が同じアドレスで素性を偽ったメールを送れる状態になります。
| ドメインを変えたくなる事情 | 変えずに済ませる方法 | 変えるのが妥当な場合 |
|---|---|---|
| 今のドメインが制作会社の名義で返してもらえるか分からない | 先に名義と管理事業者の変更を頼む(登録者が自社なら変更できる) | 登録者が制作会社で、譲渡の話がまとまらない |
| 長くて覚えにくい | 短いドメインを取って古いドメインに転送し、名刺には短いほうを載せる | 古いドメインを手放す必要はない |
| 社名や屋号が変わる | 新しいドメインを取り、古いドメインから転送する | 社名変更そのものが変える理由になる |
| 新しいドメインのほうが検索に有利と言われた | Googleの文書に移転で評価が上がる記載はないため変えない | 該当しない |
よくあるのは制作会社名義のドメインを取り戻す手続きが面倒に見えて、新しいドメインで作り直してしまう形です。
手続きの手間は1回で済みますが、名刺と登録先の書き換えと転送の維持は何年も続きます。
同じドメインでもURLが変わるページは301で転送する
ドメインを変えなくても、作り直しでページのURL(ドメインより後ろの部分)が変わるなら、古いURLから新しいURLへ301リダイレクトを設定します。
Googleの「リダイレクトとGoogle検索」によると、301や308などの恒久的リダイレクトは検索結果に転送先の新しいURLを表示させ、転送先を正規のページと判断する手がかりとして使われます。
302などの一時的リダイレクトは検索結果に転送元のURLを残します。
作り直しでURLが変わりやすい箇所は次の4つです。
- 会社概要や店舗案内など、ページ名の英語表記が変わるページ(/about/ と /company/ など)
- お知らせやブログの記事(日付入りのURLから記事名入りのURLへ変わるなど)
- 画像やPDFの置き場所(アップロードフォルダの階層が変わる)
- 末尾のスラッシュや拡張子(/serviceと/service/と/service.htmlは別のURLとして扱われる)
同じ文書では転送の実装はサーバー側を優先し、元に戻す予定がないなら恒久的リダイレクトを使うとしています。
HTMLのmeta refreshは0秒なら恒久的として扱われますが、サーバー側が使えない場合の代わりです。
JavaScriptでの転送は描画に失敗すると認識されないことがあるため最後の手段とされています。
よくある失敗は、作り直しの公開日に古いURLを開くと「ページが見つかりません」になり、検索結果から来た人がそのまま帰ってしまう形です。
古いURLを一覧にする作業を公開前に済ませておけば、公開と同時に転送を入れられます。
転送の設定をどちらの会社が担当するかも決めておきます。
古いサイトの構成を知っているのは今の会社で、新しいURLを決めるのは新しい会社です。
対応表を作る作業を新しい会社に頼み、今の会社にはURLの一覧を出してもらう分担が進めやすいです。
対応表は旧URLと新URLの2列で作る
ドメインを変える・変えないにかかわらず、URLが変わるなら「旧URL」と「新URL」の2列を基本にした対応表を1枚作り、公開前に新しい会社と共有します。
Googleの「サイトを移転する方法」は元のURLの一覧を重要なページから作り、サイトマップ・サーバーログ・CMS・解析ツールを使って洗い出すことをすすめています。
画像・動画・CSS・JavaScriptのURLも計画に含め、元のURLごとに転送先の新しいURLを対応づけます。
一覧の作り方は次の5手順です。
- 今のサイトのサイトマップ(/sitemap.xmlなど)を開き、載っているURLを表に貼る
- Search Consoleの「ページ」レポートでインデックスに登録されているURLを書き出し、1で漏れたものを足す
- GA4で過去12か月に表示のあったページを書き出し、アクセスがあるのに1と2にないURLを足す
- 新しい会社から新しいサイトのURL一覧を受け取り、旧URLの隣に新URLを埋める
- 新URLに相当するページがない旧URLは、内容がいちばん近いページを転送先にする
| 旧URL | 新URL | 転送の種類 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| /about/ | /company/ | 301 | 公開日に確認 |
| /blog/2023/05/post-1/ | /column/post-title/ | 301 | 公開日に確認 |
| /wp-content/uploads/2023/05/photo.jpg | /images/photo.jpg | 301 | 公開日に確認 |
| /campaign-old/(相当するページなし) | /service/(内容が近いページ) | 301 | 公開日に確認 |
Googleの文書は、多数の古いURLを関係の薄い1つのページ(新サイトのトップページなど)へまとめて転送することを避けるよう注意しています。
5の「内容が近いページ」はトップページではなく、同じ話題を扱うページを選びます。
転送の連鎖も避けます。
同じ文書は転送のチェーンを作らず最終的な宛先へ直接向けること、避けられない場合もチェーン内の転送は5個未満で理想は3個以下としています。
過去の作り直しで入れた古い転送が残っていると、今回の転送と重なってチェーンになるため、サーバーの転送設定を一度すべて見直してください。
301リダイレクトは5つの手順で設定する
301リダイレクトは、対応表をもとにサーバー側の設定を書き、公開日に旧URLを1つずつ開いて新URLに変わることを確かめる5手順で設定します。
- 対応表の旧URLと新URLを、サーバーの転送設定に入れる形式に書き直す(Apacheの.htaccessなら1行につき1組)
- 新しいサイトを公開したら、設定ファイルを置いて転送を有効にする
- 対応表の旧URLをブラウザで1つずつ開き、新URLに切り替わるか・途中で別のURLを経由しないかを見る
- Search ConsoleのURL検査ツールで旧URLを検査し、転送先として新URLが表示されることを確かめる
- 新しいサイトの各ページでrel=”canonical”が自分自身の新URLを指しているか、内部リンクとサイトマップが新URLになっているかを見る
Apacheの.htaccessに書く1組の例は「Redirect 301 /about/ https://example.com/company/」の形です。
サーバーの種類が違えば書き方も違うため、新しい会社に対応表を渡して設定してもらい、確認の3と4だけは自社でもやってください。
Googleの「サイトを移転する方法」は移転の手順として、新サイトのテスト・URLマッピングの作成・リダイレクトの実装とcanonicalの確認・URL検査でのテスト・ドメインを変える場合のアドレス変更の申請・新しいサイトマップの送信・両方のトラフィックの監視・内部外部リンクの更新を挙げています。
公開後はSearch Consoleの「ページ」レポートで「見つかりませんでした(404)」の増加を見ます。
同じ文書はクロールエラーの急増を監視するよう書いており、404が増えていれば対応表に漏れがあった旧URLです。
よくある失敗は、新しいサイトを公開前のテスト用にnoindexにしていた設定を公開後も外し忘れ、転送は正しいのに新しいURLが検索に出ない形です。
同じ文書は移転に不要になったnoindexやrobots.txtのブロックを削除するよう注意しています。
Search Consoleのアドレス変更ツールは180日の移行期間を作る
ドメインを変える場合は301リダイレクトを設定したうえでSearch Consoleの「アドレス変更ツール」を使います。
申請から180日間はGoogleが新しいサイトのクロールとインデックス登録を優先し、評価の手がかりを新しいサイトへ移します。
Search Consoleヘルプの「アドレス変更ツール」に書かれている条件は次のとおりです。
- 使えるのはドメインレベルのプロパティだけで、example.com/petstore/ のようなパスの移転には使えない
- 移転元と移転先の両方で所有者として確認済みで、同じGoogleアカウントで管理している
- 指定したドメインより下のサブドメイン(wwwを含む)は一緒に移らないため、サブドメインごとに所有権を確認して1つずつ申請する
- 事前に元のトップページから新しいトップページへの301リダイレクトを設定しておく(正規ページにも設定することが推奨されている)
手順は次の5つです。
- 両方のドメインをSearch Consoleに登録し、所有権を確認する(ドメインプロパティの確認はDNSレコードで行う)
- 旧ドメインから新ドメインへの301リダイレクトを設定し、ブラウザで切り替わることを見る
- 旧ドメインのプロパティで「設定」から「アドレス変更」を開き、移転先を選ぶ
- 移転前チェックに重大な問題があれば直す(軽度の問題は警告だけで続行できる)
- チェックに合格すると両方のプロパティに移行中の通知が出るので、トラフィックを監視する
同じヘルプには、180日を過ぎるとGoogleは両サイトの関係を認識しなくなり、元のサイトは無関係なサイトとして扱われると書かれています。
転送は少なくとも180日間維持し、旧ドメインからの検索流入が残っていればさらに長く維持します。
AからBへ移転した直後にBからCへ移転を申請する連鎖はできないという注意点もあります。
複数のサイトを1つの新しいドメインにまとめる場合も1つずつ申請し、トラフィックが安定してから次に進みます。
移転と同時にサイト構造やURL構造を作り変えるとトラフィックを失う可能性があるとも書かれています。
ドメインを変える作り直しでは、URLの構造はできるだけ旧サイトに合わせ、構造の変更は別の時期に分けるほうが安全です。
httpからhttpsへの変更・同じドメイン内でのパスの移動・wwwありなしの切り替えには、このツールは使いません。
申請は180日以内ならキャンセルでき、その場合はサーバーの転送を外し、新サイトから元サイトへの301を追加してから元サイトのツールで「移行をキャンセル」を選びます。
旧ドメインは1年以上維持し名刺とメールを切り替える
ドメインを変えたあとも旧ドメインの契約は1年以上残し、そのあいだに名刺・登録先・メールアドレスを新しいドメインに切り替えます。
Search Consoleヘルプの「アドレス変更ツール」は、悪用を防ぐため旧ドメインの維持費を少なくとも1年間は払い続けることを推奨しています。
「サイトを移転する方法」も、他サイトからの古いリンクを新URLに届けるために転送を1年以上保持することを目安としています。
旧ドメインを手放したときのリスクは、JPRSの「ドメイン名の廃止に関する注意」に書かれています。
他サイトからのリンクや検索エンジンの評価が残るため、第三者が登録して詐欺サイトや誹謗中傷サイトに使うおそれがあり、商標侵害などの事由がない限り差し止めはできません。
メールアドレスをSNSなどのログインIDに使っていた場合は、パスワードの再発行を悪用されてアカウントを乗っ取られるおそれもあります。
切り替えの作業は次の順で進めます。
- 新ドメインで同じ名前のメールアドレスを作り、旧ドメインのアドレスに届いたメールを新アドレスへ転送する
- 取引先に新しいアドレスとURLを知らせ、メールの署名を新しいものに変える
- Googleビジネスプロフィールのウェブサイト欄・SNSのプロフィール・ポータルサイトの登録を新URLに書き換える
- 旧ドメインのメールアドレスでログインしているサービスを洗い出し、登録メールアドレスを新アドレスに変える
- 名刺・パンフレット・看板は在庫の切れ目と改装の時期に合わせて差し替える
4は見落とされやすい作業です。
旧ドメインを手放したあとに、そのアドレスで登録していたサービスからパスワード再発行のメールが第三者に届く形を防ぐため、JPRSも廃止前にメールアドレスを使ったアカウントの削除や登録アドレスの変更をすすめています。
よくあるのは1年の維持期間が過ぎた時点で旧ドメインの契約だけ解約し、看板と取引先の登録に旧URLが残っている形です。
解約の前に3と5の書き換えが終わっているかを一覧で確かめてから手放してください。
cantikではホームページの作り直しとドメインの扱いについてのご相談をZOOM・電話・メールで受けています(ホームページのリニューアル)。
契約は1年ごとで、2年続けていただいた時点でサイトのデータを無償でお渡しし、移管などの細かい作業は別途費用でお手伝いします。
まずは無料相談から。
「何から始めればいいか分からない」段階でも大丈夫。
いまのサイトの入口を見える化し、直す順番をご提案します。
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